事業再生における作業が実例を踏まえて記述されていること、また執筆陣の意識が高いせいか、各作業の目的が明確化されているために、非常に読みやすいです。
<br />特に事業再生実務における手順に詳しいのはうれしい。本シリーズを読めば、事業再生の初期段階からExitまでの手順を一通り把握できるようになっており、非常に貴重な実務書であることに違いはないと思います。
<br />素人の僕にとっては、事業再生という業務に非常に興味をそそる内容でした。ただ、機構にいたある知り合いはオールデイ9時-5時勤務(午前9時〜午前5時)の勤務をこなしていたそうで、僕だったら三日で精神をきたし、それまで行ったことのないキャバクラに癒しを求めに入り浸りになることでしょう。
産業再生機構の実務が明らかになるだけでなく、銀行間の債権調整や取引先の説得など、普遍的な事業再生の内容を扱うものとして、取り上げるテーマの洗練度という点で、他の本の追随を許さない高みにあると思う。随所にコラムや図表が効果的に配置されており、とにかく読みやすい。そして内容的に、アツイ。第2巻の金融機関同士の交渉を赤裸々に描いた章や、第3巻のターンアラウンドマネジャー選定の舞台裏を描いた章には、書き手の苦労と想いが横溢しており、引き込まれる。