デザイナーのみならず、
<br />あらゆる人に読んで欲しい本です。
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<br />要は「相手に対する思いやり」。
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<br />カッコいいデザイン、商品、サービスも、
<br />相手を満足させなければ、ただのゴミである。
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<br />賞なんて関係ない、権威も意味が無い、
<br />逆にそういったものがある人は、
<br />余計なプライドが先行してしまい、
<br />独りよがりのデザインや企画で終わってしまう。
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<br />いかに自分を目立たせずに、
<br />相手の利を考えることができるかどうか。
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<br />自我との戦いに勝たない限り、
<br />いいデザイン、企画、サービスは生み出せないのである。
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読んでみてわかる。「誰のためのデザイン?」というタイトルが全てを物語っている。
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<br />筆者は「道具の心理学」という視点で、わかりやすく「モノ」中心で書き綴っているが、小生は職務がら違う視点で読ませて頂いた。
<br />「デザイン」とは、伝える側の思いを伝えたい相手に伝える手段。そう考えるのは小生だけであろうか?
<br />なかなか想いが伝わらないと歎いている経営者や経営スタッフの皆さんは、どのようにお思いだろうか? 何故想いが伝わらないのか? 方針が浸透しないのか? なぜ・・・?
<br />誰のためのデザイン? という問い掛けで気づきはないだろうか?
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<br />この本は、CS(お客様満足)経営、ES(社員満足)経営の手引書とも感じた。初版は1990年と古いので、事例は古いし後半は少しくどいかな?とも思ったが、経営者にとっての良書であることには誰も異論を持たないと思う。 by YS
昨今,「“いかにその製品を格好よく見せるか”が優れたデザインか否かの分かれ目」という曲解が顕著であるが,この本は,“使い勝手のよい製品こそデザインに優れている”という本来の意味でのデザインを認知心理学の手法をとりながら,実に明快に論じている.ノーマンのデザイン論からすると,コンピュータは(最近のマシンやソフトは随分ましになったが),まったくデザインがなされていないことになる.まして,コンピュータで学習を行うなどというeラーニングにおいては,コンピュータやインタフェースのデザインなどという概念がさらさらないということがよくわかる.複雑な制御システムや新しいアルゴリズムを埋め込んだラーニングシステムを考える前に,学習者のユーザビリティやインタフェースデザインを研究者は考えるべきではないか,と思うのだが.