特攻に関しての書籍は多いが、これは特攻という方法で国の為に殉じた少年達の純粋さにスポットがあてられている。トメをとりまく隊員達がただそのままに語られていて、やたらに評論家や解析好きの登場する本とは違う。<br>特攻以外にも、国の為や愛する家族の為に殉じた兵は数百万にのぼるが、彼らが一人残らず、我々と同じく「人間」であった事がよくわかる。違うのは、彼らは「民族の誇りを持った人間達」であったという事だ。<br>この本に興味を持ち、ここを訪れた時点で、貴方にはこの本に出会える機会ができたのだから、とにかく読んでみるべきだ。<br>人生の中で読む事のできる本の数などしれているが、貴重な一冊に出会う運命も、そう多くはない。貴方にとって、この本はそういう本の一冊になることだろう。
鳥浜トメは、まさに天使のような存在であっただろう。二度と帰ることの出来ない特攻兵を、我が子のように接し、そして送り出す。二度と会うことの出来ない別れを、一体どんな気持ちで、一体どんな覚悟で受け止めていたのだろうか。<br> 富屋食堂で、祖国を思いながらアリランを歌い出撃した特攻兵、「ホタルになって帰ってくる」と約束した特攻兵、腕の骨折のため、自転車チューブを腕代わりに操縦桿を握った特攻兵・・。祖国のためとは言え、命をかけての突撃を、目の当たりにしたトメの心情は、計り知れないものがあったのではないか。<br> 戦争は終わり、その後日本は急激な経済成長を遂げるが、次第に戦争で惨禍していった特攻隊の事は、自然に風化されようとした。しかし、今の私達の暮らしあるのは、彼らのおかげでは無いだろうか。日本の未来の為に、日本の将来を思って惨禍した彼らの心は、勇気は、決して忘れてはならない。
本屋でこの本を見つけてなぜか衝動買いをしていました。<br>その日のうちに全部一気読み。止める事は出来ませんでした。<br>涙がいっぱい溢れて拭いながら読みました。<br>小母ちゃんの実の母にも負けない、それ以上の愛と優しさで少年兵達の厳しい生活の中での唯一の癒しになっていたんだなぁと思います。<p>特攻兵という悲しい記録になって逝ってしまった少年達(青年もいますが)の真実が書いてあります。<br>全員が全員日本人ではなかった事。<br>何度挑戦しても敵艦に突撃する事は出来ず没したもの。<br>自分自身に暗示をかけるかのように何度も「お国のために」と。<p>ほとんどの少年達が空へ向かう前に小母ちゃんの店へ来て実家の家族へ向けた「最初で最後の本音の手紙」(少年兵達の手紙は上官に検査をされてからしか送ってもらえなかったため本音はほとんど書けなかったようです)を渡していた事。その手紙を上官達に見つからないように早朝に隠れてポストに入れた事。<br>戦後には多くの中傷や非難を受けながらアメリカ兵の世話もしたこと。<p>毎日毎日逝ってしまった少年兵達のお参り。<br>少年兵の家族への手紙。<br>亡くなるまで小母ちゃんは少年達の母だったんだなぁと思いました。<br>だからこそホタルは帰ってきた。