複雑な世界、単純な法則  ネットワーク科学の最前線 みんなこんな本を読んできた 複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線
 
 
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複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線 ( マーク・ブキャナン 阪本 芳久 )

SNS GreeのGreeという名前はたしか <br />世界中の誰とも6人の友人を介してつながる <br />というネットワーク理論の6 Degreesを下敷きにしていたと思う。 <br /> <br />MIXIのマイミクをたどっていったら近しい友人にたどり着くことも <br />あるかもしれない。 <br /> <br />そういったことを学問としてやっているのがネットワーク科学です。 <br /> <br />このネットワーク科学は、人間社会、生態系、脳細胞などなど <br />まったく異なる分野で、いろいろな事象を説明できてしまうのです。 <br /> <br />しかし、本は厚いですが、内容は難しく書かれているわけでは <br />ありません。非常に読みやすい。知的好奇心を満たしてくれる本です。

「なぜそれは起こるのか?」という本を昔々読んだ。シェルドレイクの共時性についての本。この本に書かれている、ネットワーク理論というものは、論と名づければ「ネットワーク理論」という風味になるのだろうが。私のように組織運用をしているものにとってみれば。「なるほど、おもろい本」また、商売をしている私にとってみれば「なるほど・・おもろい本」実践的検証をしてみた・・「確かにそのようになるようだ」という。しかし・・「なぜそうなるか?」は誰も教えてはくれない。知りたいのは「なぜそのようになるのか?」という根本原理のはず。この現象世界というものは、私達に何を示唆しているのか。あらゆる事象の中に法則性が「こそこそ」とささやくけども。それを様々名づけて様々な角度で皆が色々なところで色々な学問を起こし論で武装するけども。その本質というのは一つの事じゃないかと思う・・などと・・思考錯誤しつつ、商売や組織運用ができる。「おもろい・・ただおもろい本」の一冊

 副題は「ネットワーク科学の最前線」であるが、数式や難解な論理が展開されるわけではない。単純化された事例と具体的な調査からの類推で、大規模なネットワークの持つ意外な特性(この意外性は「スモールワールド」と言う言葉に象徴される)について平易な言葉で説明してくれる。 <br /> 取り上げられるネットワークは、インターネットにとどまらず、太古からの社会的な人的ネットワークであったり、ホタルの生態、脳のニューロン構造、食物連鎖を構成する生物、そして経済現象であったりする。これらのネットワークの成り立ちと内部構造の分析、コミュニケーション方法から判明した知見を解説してくれるのだが、喩えやデータが分かりやすいので非常に楽しく読める。 <br /> 結果的には単純な法則はいくつかあるのだが、取り扱う対象から見れば十分シンプルで納得できる回答である。 <br /> 本書で得られる知識はコンピュータや理工系の方よりも、むしろ人文科学系で有効であると思える。また大規模な未知の現象を目の前にして、それを解析する努力と、全体の挙動から原理原則を見いだす姿勢こそが「科学」という感じで、精神的にも得るものがある。 

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