書かれていることすべてとはいわないが、かなり共感できるところがあった。別にイギリスがえらいとかいいとか、というわけでない。でも、今の日本が壊れているのは明らかで、筆者の指摘する部分は、同感だと思うところであった。
この本はテレビや新聞で一般的に見聞きできる情報から著者が思ったり推測したことを最初から最後まで述べているだけである。タイトルに「なぜ〜壊れたのか」と言うからには、統計データの調査分析や関係者へのインタビューなどがあり、答えを追求する内容を期待したが、そういったものは一切ない。ただ嘆き、問題だと言っているだけである。
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<br />しかし、一番の問題はこの著者がイギリスと日本を行き来しているようで、日本のことに詳しくないということである。
<br />老人ホームに雇われているケアマネージャーが老人の介護レベルを決めるために保険金を多くもらうという不正が起きている、という旨の記述があるが、これは完全に著者の誤りである。介護レベルを決めるのは市町村であるため、こういった問題は起こりえない。
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<br />また、「老人介護はしみったれた仕事だとみんな思っている。誰もやりたくないのだ。」については、呆れるしかない。実際に介護職に就いている人は大勢いるわけで、本人たちはプライドを持ってやっている。にもかかわらず、大学教授という立場から見下した、差別的な記述とも受け取れる。介護職はこれからも更に必要となってくるわけで、そんなことを思っているのは日本のことをよく知らない著者ぐらいのものである。
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<br />最後に、著者は自分が教鞭を取っている大学のことを、偏差値の低い弱小大学だと言っている。通っている学生たちが、もし仮に自分たちでもそう思っていたとしても、教授にそんな風に言われるのはショックだろう。気の毒でならない。
この題だけで、この人はいつも日本人なのに日本人批判をし満足をしていると思います。おっしゃるとおりの日本の情けない事情もわかりますが、イギリスだって日本人以上にびっくりするような情けないことが沢山ありますよね。日本の大きな間違いはテレビでイギリスを美化しすぎていることそれが一番ここまで壊れている日本のような気がします。本当のイギリスを日本は放映すべきと思います。この人は、日本に興味があるので日本のことをあれこれ書いて印税を稼いでいるのですが、著者としてイギリスの本当の姿を書くべきだと思います。もし私はイギリス人だとおっしゃるなら、日本人に対してこの本は失礼極まりないです。