メディアファクトリーの「金田一耕介Complete」では、
<br />さっくり飛ばされていた「〜の女」なども他の作品と同様に
<br />ちゃんと紹介しているのがちょっと笑えた。
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<br />あとは、事件発生の時系列順に並んでいるのがうれしい。
<br />(角川の『横溝正史に捧ぐ新世紀からの手紙』を参考に並べたとある)
<br />全体を通して、金田一耕助の一つの物語のように見えてくるのがいい。
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<br />下の書評には、イラストが「興ざめ」とあるが、個人的には
<br />「迷路荘」の間取り図なんかはすごかったと思う…。
<br />あと、「病院坂」のあとの金田一の姿の描写とかも別冊宝島っぽくていいんじゃないだろうか。
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<br />やや初心者向けにも思えるけど、「金田一耕介Complete」より情報量多いし、
<br />構成がわかりやすいから星5つ。
横溝作品の金田一耕介が登場する作品に特化して紹介している。
<br />作品ごとの親切な解説は、全登場作品にわたり、映画で演じた俳優の紹介は稲垣吾郎まで、フォロ−している。
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<br />しかし、途中に挿入されている無意味な、漫画やイラストが興ざめであったり、描かれている情報に奥行きがないなど、不満は残る。
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<br />以前発売された、ダヴィンチ別冊の”金田一耕介Complete"に比べてしまったら内容は少々期待はずれである。
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<br />やはり、初心者向けであろうと思う。
<br />新作映画で、金田一に初めて出会った方にはとても便利な一冊だと思う
金田一耕助の登場する横溝正史氏による探偵小説を、全77作品、一挙解説したガイドブック。
<br />各作品ごとのストーリーと解説が、1作品半ページから2ページぐらいを使って詳細に解説しています。
<br />マニアなら当然の情報かもしれませんが、映画やテレビから入る小説の初心者にはちょうど良い入門書です。
<br />こんなに多くの本数に登場していることや、少年向けの小説でも活躍していることを、本書で初めて知りました。
<br />(ほとんど明智小五郎×二十面相の世界らしい)
<br />映像化されている作品については、それについても簡単に解説しています。
<br />小説を中心にしているため、映像作品の写真は、今年の新作『犬神家の一族』のカラー2ページのみです。
<br />それ以外は、片岡千恵蔵から稲垣吾郎まで、映像で金田一を演じた俳優について、イラストでカバーして紹介しています。
<br />(映像作品の写真は、光栄刊の『18人の金田一耕助』参照)
<br />横溝氏の長男のかたへのインタビューでは、江戸川乱歩氏との交流や、横溝氏の探偵小説へのこだわり、
<br />社会派推理小説(松本清張氏)の台頭などの背景も読み取ることができ、
<br />またそれ以外に、多数のコラムやイラストを併載されており、バラエティに富んだ内容で楽しめます。