この本は、
<br />ブログでの文章の書き方を説明する部分と、
<br />ブログというものを、過去から続く文学の流れの中でどのように捉えるか、
<br />と言うことが書かれた本だと思う。
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<br />どちらの話も、
<br />ブログをある程度続けている人には、うんうんと、うなずきながら読めると思う。
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<br />この本を読み終わって、私のブログ劇的に改善することはないだろうと思ったが、
<br />とりあえずブログを書き続けてみようかなとは思った。
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<br />それから、
<br />ブログには出来るだけ本音を書いたほうがいいそうなので、この本についてもほんねを書くと、
<br />ダーウィンとかニーチェとかフロイトを持ち出して語る部分は、
<br />ちょっとスノッブかな、
<br />と思った。
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「文章教室」というタイトルではあるが、一般的な「文章術」や「文章の書き方」の本に見られるような、具体的な文章作法はどこにも出てこない。たとえば、著者の語る「読みやすく魅力ある文章を書くためのヒント」とは、好きな作品を探し、それを模倣すること、それを暗唱できるくらい吸収し、こうした状態をキープしながら普通の文章を書くこと、そこには「文法的」な視点や説明はいっさい見られないのである。
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<br />ブログに関する出版物のなかで、「文章の書き方」に的を絞った本はそう多くない。同じような傾向の本としては、高橋賢一著『ウケるブログ』(技術評論社)がある程度ではないかと思う。
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<br />『ウケるブログ』が、文章術を正面から捉えるのに対し、本書はややオーソドックスさに欠けていて、寄り道もいっぱいしている、というところがあるが、ブログに文章を綴る立場の人には大いに参考になるはずである。ぜひ読んでおきたい一冊。