一口にフィギュアの原型制作指南と言っても作っている人の数だけ道がある現在では、
<br />初心者の人はまず「自分にはどんな作り方・素材が合っているのか」の選択すら
<br />難しいのが実情です。
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<br />この本はそんな『登山道の整理前の山』のようなフィギュア作りの道を
<br />「とにかくこれを使ってこんな風に作ればまず間違いないから!」
<br />という確固とした自信に基づいてリードしてくれるので、あとは本人のやる気と
<br />根気さえあれば迷わず進むことができるでしょう。
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<br />フルカラーの写真がプロセス解説にふんだんに使われ読みやすく、本文中で
<br />用いられているツールやマテリアルがいずれも少し大きめの模型店などに足を運べば
<br />入手可能なもので完結しているのも好印象。
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<br />ぐぐればぐぐるほど作り方が出てきて困ってる原型制作初心者さんはぜひ手に取ってください。
意外といそうなので。
<br />いわゆる芸術分野の一つに彫塑があります。
<br />彫刻とごっちゃにされることが多いのですが、削るわけではなく、粘土細工→型取り→流し込み と、フィギュアとほとんど同じ手順で作られます。
<br />良く見かけるのは、ブロンズ像だと思います。
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<br />芸大等でこの分野を専攻される方には、岩野先生が書かれたバイブル本が存在しますが、あまり解り易い本ではないです(汗)。
<br />この本の優れている点は、粘土による人体造形法が徹底的に詳しく記載されている点でしょう。
<br />これほど詳しく、人体の立体造形を解説した本は、(和書では)他に存在しないと思います。
<br />デフォルメかつ簡略化された人体なので、リアルな人体の製作とは異なりますが、充分参考になります。
<br />立体造形の初心者さんで、特に人体の造形に悩まれている方には結構参考になる本ではないかと思います。
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<br />逆に言うと、人体の立体構造を把握していて、立体造形が出来る方にはこの本の大部分が無用な記述ということになります。
<br />模型技術的な記述を増やして、もう少しバランスをとっていただけたらという印象も持ちましたので、星4つとさせていただきました。
とにかく「改造じゃなくて、イチからフィギュアってやつが作ってみたい!」と思ったら読んでみたらいいです。萌え系や女の子フィギュア以外を作りたいんだけど…という場合でも、とにかく初心者なら買ってみて損は無し。ズバリ私もそれで購入しましたが、ビンゴ。いまいち不安だったのがかなりスッキリ解消しました。
<br />作る本人に多少のオタク気があり、かつ多少の絵心があればなおよし。取っつきやすくなります。
<br />実際に使う材料や道具に始まり、整形の課程もバッチリフルカラー写真で載っているのでとてもわかりやすかったです。
<br />ちょこちょこと「それっぽく」見せるための小技もあるので、「ちょっと行き詰まってる…」といった場合にも参考になるかも。
<br />何より、「フィギュアつくりたい!」というやる気を引き出してくれます。おすすめ。