これまでに私が出会ったセンター対策の参考書や問題集は、公表されている解答にあわせて、場当たり的に解説らしきものが付加されているというものばかりであった。しかし、この本はそれら従来のものとはまったく違うものである。われわれ受験生の弱点を知り尽くしたと思われる筆者が、それを意識しながら、首尾一貫した解説を施している。本書は、センター試験対策の金字塔ともなりうる参考書ではなかろうか。現代文の苦手な人にもお勧め。
率直な感想を言うと、「正攻法」の現代文参考書ではあるが、センター対策の参考書かと言われると「?」である。
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<br />実力派といわれる湯木先生のセンター対策本ということで、期待していたのだが、あまりにもまっとうな「単なる現代文」の参考書(問題を解くのが中心だから問題集?)であり、逆の意味で驚いた。何度か繰り返すだけでするする頭に入る、理系の私たちにとってはありがたいシリーズだっただけに、正直、期待はずれだった。
<br />たしかに「正攻法」であり、これをやり込めば高得点が狙えるだろう。でも、なるべく文系科目に時間を割きたくない立場としては、このようなアプローチを望んでいない。そもそも、センター現代文のために参考書を2冊というのは多すぎる、という気さえする。 用語の使い方もわざわざ小難しいという印象(指示内容説明型問題における情報の収集など)であり、国語はセンターだけという立場には厳しいと感じた。
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<br />また、浪人の自分でも見覚えの無い過去問が入っていると思ったら、旧センター1の問題が半分くらいあった。軟化傾向にあるとはいえ、本当にこれで高得点のレベルまでいけるのか疑問である。
<br />文系の現代文入門書としては★4〜5かもしれないが、センター現代文の本としては★2くらいだと私は思う。期待していた分、辛めに評価させていただきたい。