「スパモン」。スーパーコンピュータともポケットモンスターとも関係ありません。念のため。
<br />スパコンより優れた知能を持ち、ポケモンに勝る遍在性を有する存在、「空飛ぶスパゲッティ・
<br />モンスター」のことです。
<br />
<br /> 生まれてこのかた、宗教などとは無縁でしたが、「ヌードル触手」の導きで本書と出会い、
<br />スパモン教徒となりました。本書の詳しい内容については、商品の説明や他のレビューを参考に
<br />してください。進化論やIDなどと難しい言葉を目にしてひるむ必要はありません。これはなにより
<br />楽しむべき本なのです。高邁にしておバカ、これが愛すべきスパモンのユニークさなのです。
<br />なにせこのスパモン教、天国で待っているのが、ビール火山とストリッパー工場ですから、これは
<br />もうたまりません。アメリカの社会事情に詳しくないと、??な箇所はありますが、それでも充分
<br />お釣りがきます。
<br />
<br /> 翻訳も秀逸。ただし、訳者あとがきは(訳者自身ことわっている通り)、最初に見ないことを
<br />すすめます。
<br />
<br /> みなさまの心に「ヌードル触手」の導きが来られんことを祈って
<br /> ラーメン
突拍子もない本だ。
<br />
<br />今アメリカでは「知的存在が地球の生き物を創造したというインテリジェント・デザイン(ID)説も進化論と両論併記で学校で教えるべきだ。」という意見が大きな流れとなっている。
<br />そのID説に対抗して著者が提唱するのが「空飛ぶスパゲティー・モンスター」が世界を創造した、という仮説。
<br />進化論もID説も、否定もされていないが証明もされていないのだから、対等な扱いをするべきだ、という理論に、「それじゃあ、同じ理由で空飛ぶスパゲティー・モンスター仮説も」というのが著者の主張である。
<br />
<br />冒頭の、進化論に対決を挑むくだりは中々痛快で心地よい。
<br />しかし、読み進むに連れてだんだん「?」が多くなってくる。話にやたら出てくる「海賊」がスパゲティー・モンスターと並ぶ大きな扱いを受けている理由が「?」。それ以外にもパロディーらしきことが色々と書いてあるのだが、私が日本人だからなのか、その「笑えそうな」文章の雰囲気に比べて笑えるところが少ない。このパロディーは日本人向けではないのではないだろうか?
<br />
<br />これだけの突出したばかばかしさの本はめったにないので喝采を浴びせたいところなのだが、私の(日本人の?)笑いの的のど真ん中に命中してくれない。
<br />
<br />最後に一言、「この本の狙いは一体何なんだ?」
いよいよ、預言者ボビー御大の著書が登場ですね。
<br />
<br />進化論(科学論と言い換えても良いかも)論争は、大きくて深いテーマですが、リチャー
<br />ド・ドーキンスまでが、大まじめでスパモンに言及しているのをみると、ID説への対
<br />抗言説としての、このパロディカルトの底力、なかなかのものです。
<br />
<br />某サイエントロジーへの言いがかりなども秀逸で、笑い満腹の1冊でした。
<br />巻末付録の、天国絵図(ストリッパー工場とビール火山)は、友人とぬりえをして楽しみまし
<br />たw
<br />
<br />ラーメン
<br />