私は20年以上も前の中学生の頃に極真会館総本部に入門しました。
<br />約1年通った頃に高校受験のため稽古中断、そしてそのまま退会してしまいました。
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<br />最近ふとしたことから極真にルーツを持つ某団体に入門しました。
<br />格闘技好きなので極真のことも心に残っていましたが、大山総裁没後の分裂騒動については教えてくれる存在が近くにいなかったので「何がきっかけで、どのように分裂したのか」ということは疑問のままでした。
<br />そんな時に本書を知って即購入、そして即日読破。
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<br />「専制君主亡き後は大変なことになるもんだ」ということが第一の感想です。
<br />そして、各支部長が様々な組織に分裂してしまい、お互いに距離を置くようになってしまっても、ルーツはマス大山なのだからその部分は共有して今後の日本の武道界、格闘技界を支えていって欲しいと思いました。
<br />また、私が総本部に通っていた頃に若獅子寮生または卒寮直後だった方のお名前を拝見することが出来て懐かしくも思いました。
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<br />本書は極真会館という一空手団体のことに限らず、多くの組織にも起こりうる事件だと思います。
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<br />最後に大山夫人が亡くなっていたことも初めて知りました。
<br />合掌。
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夢中になって一気に読んだ。
<br />読了後、少し興奮して眠れなかった。
<br />この本は、分裂騒動について詳細に語っている数少ない本の一つである。
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<br />著者は遺族派に同調する人であったから、完全な中立・無偏見な立場ではないが、可能な限り中立な立場で各派閥の解説を行っていることが分かる。
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<br />それぞれの派閥に言い分があって、この本に書いてあることは著者の一面的な思い込みに過ぎないと言う人もいるだろうが、直接の当事者ではない一道場生の人達にとって、各派がどういう大義名分をもって松井章圭氏から離れて行ったのかを正確に知ることができるほとんど唯一の資料である。
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<br />この本によって、今まで道場生レベルには流れて来ず、ネット上の噂話でしか窺い知ることのできなかった分裂騒動の内幕の全体像を知ることができた。やはりネット掲示板の一部の書き込みが事実であったことも確認できた(書き込んだ人間の一部が分支部長・指導員レベルの当事者だからだろう)。
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<br />大山氏の実像についての部分はやや推測に基づいた記述が多く、また一番最後の松井氏・許詠中氏・大山氏3者の関係についての部分は訝り過ぎではないかとも思うが、松井派の道場生レベルには全く伝わって来ない、松井氏のダークな部分についても詳しく知ることができた(著者は一貫して反松井である)。
<br />松井氏は他の門弟とは異なり、大山倍達という人間に何の幻想も持ってはいないのだ。
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<br />私は、三国志にも、戦国時代にも全く興味がない。
<br />唯一、極真の分裂騒動から、大人の男達の汚い世界と、どうしようもない現実の権力闘争の激しさを学んだ。
<br />薄汚い派閥闘争を垣間見た後でも、それでもなお、私は極真カラテが大好きだ。
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