文章が読みやすいこともあるが、一気に読めてしまった。
<br />
<br />冒頭、自分が何故茶髪(白髪の時期もあったそうだが)にするのか、ピアスやタトゥーをするのかが述べられている。
<br />その点は同意できなかったのだが、読み進めていくにつれて理解は出来るようになった。
<br />そういう意味で、無駄の様な文章が実は後半の複線になっているなど、実は全てが合理的に書かれている。
<br />
<br />全体を通じて感じるのは、著者自身が競馬を愛していること。そして愛するが故に自分に何が出来るのかを考え、語られていることに尽きると思う。
<br />
<br />これは「馬券」ファンが読んでも面白くないかもしれない。
<br />本著を読んでほしいのは「競馬」ファンであり、「スポーツ」ファンであり、才能がありながら「2流」で惰性を貪る「騎手」や「スポーツ選手」ではないか。
<br />
<br />そして競馬はスポーツではない、と毛嫌いするスポーツファンにはぜひ読んでほしい一冊である
<br />
<br />蛇足だが、著者が急病で新幹線を止めて病院に担ぎ込まれた描写も載っている。
<br />これからもご自愛いただき、長く騎手生活をおくってほしい。
<br />
競馬に対する独自の視点、親や家族、恩師との逸話を本人が一切を本音
<br />で語っています。何より責任をとって筋を通すことを損得以上に考える氏の姿勢、生き様が伝わる素晴らしい本。
近年の競馬本のなかでは出色の面白さですね(まあ、全部読んでいるわけではないですが)。おそらく聞き書きだと思うのですが、まとめ方も非常にいいです。