2006年の夏の高校野球界で話題になったチームや選手の舞台裏について書かれています。
<br />早稲田実や駒大苫小牧だけではなく、高校野球界を沸かせた鹿児島工や日大山形や日大三についても書かれており、今年の夏のドラマの一片が分かります。
<br />それぞれに取材した人が異なりますが、よく取材されていると思います。
<br />高校野球ファンにはお勧めの一冊です。
おそらくは、普段高校野球の本なぞ読まない人すら取り込む
<br />為のタイトルだろう。それだけのブームだったし、
<br />出版社も商売である以上、そういった層を相手にせねばならない。
<br />「斎藤寄り」であるし、内容も「タイトルとの乖離」が見られる。
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<br />だけど、そんな矮小な視点で語られる本ではないと思った。
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<br />高校野球ファンからすれば、最初の章の「小澤章一氏」の話と
<br />「日大三高」の話がこの本の全てであり、この本のテーマなのだ。
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<br />僕らはいったい何人ものスターを甲子園で見続けてきたろう。
<br />そして、いったい何人もの「スターの末路」と「スターに隠れた人間たち」
<br />の物語を見逃してきたろう。
<br />きっと真実はそこにあるのに。
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<br />一時のスターは作られる。
<br />それはファンの狂騒とマスコミの意図で。
<br />だけれど、荒木大輔と共に歩んだスター街道から道を外した小澤章一の物語や、
<br />天才・斎藤佑樹と幾度も戦い、最後の最後で敗れ去った日大三高の物語は、
<br />決して作られたお話ではない。
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<br />こういったスポーツノンフィクションが、浮かれきったブームの中、
<br />出版されたことが、とても嬉しい。
辛口で言うと‥少しがっかりしました。両校、両選手ともに興味があったただけに少し残念‥斎藤君や早実の事は色々と知れてそれはそれで良かったのですが、どちらかと言うと早実寄りや斎藤君の内容が多く駒大苫小牧の田中君などの記事が極端に少ない気がしました。これでは今までの偏りがちなワイドショーなどと変わらない様な気が。。タイトルから違っている気がします。この本もずっと歴史に残る物なのですから両選手や両校の記事を平等にしてほしかったなぁ‥