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エス 咬痕 ( 英田 サキ 奈良 千春 )

「エス」の二巻目です。「咬痕」の意味は本文を読んでいくと「なるほどな」って腑に落ちます。今回は同僚の「ちょい悪おやじ」ならぬ「超悪おやじ」永倉さんがからんできて、また抱えるものがおおきくなってゆく…、って感じです。椎葉が刑事としてこうあろうとする距離感、でも宗近に惹かれてゆく自分との葛藤。事件性の緊張感と、彼の精神的緊張感がたまらなくよくて、一巻に負けず劣らずすばらしい出来だと思います。大人のエロさもいい。 <br />奈良さんのイラストとも合っていて、想像力をかきたてられます。「裂罅」「残光」も、必ず読みたくなると思います。

1冊目を読んでかなり期待しすぎたせいか、ちょっと拍子抜け。 <br />もっともっとドロドロを期待していたのですが、攻の宗近が意外に <br />お行儀が良いので、ドロドロの割にはあっさりとしています。 <br />同じ立場にある永倉に自分を投影し宗近との関係に椎葉が苦悩するのは <br />よいのですが、永倉に全部話を持っていかれちゃった感があります。 <br />椎葉が気持ちを自覚する上で永倉の存在は必要には違いありませんが <br />そのせいで肝心の主役の二人の描写が弱くなってしまった印象です。 <br />1冊目が88点なら2冊目は80点というところです。 <br /> <br />

待ってましたの第二段、前回の主人公椎葉と彼のエスとして協力する事になった宗近の他に、椎葉の同僚である永倉刑事とそのエスの小鳥遊真生(たかなしまお)と言う人間がストーリーに深く絡んでいます。<p>本当なら相容れてはいけない相手であるエスに並々ならぬ想いを抱いてしまっている永倉の気持ち、彼の持つ辛い過去を知っていくうちに自分と同じ部分を見つける椎葉の苦悩が胸に痛い、一旦は突きつけられた自分の弱さから目をそらしかけた椎葉が、永倉とのかかわりによって次第に自分を取り戻し、これからも宗近をエスとして一緒にやって行こうと決意するシーンに涙しました。<p>第三弾が来年の春だそうですがそれも楽しみです。

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