この単語集に収録されている単語は、英検準1級やTOEFL用の単語集でも学ぶことが出来るようなものであり、単語選定の面では特に目新しさは無い。「英検準1級」と書いたが、1級用の単語集とも比較したが、1級用単語集と重なっている単語は少ない。つまり見出し語だけを見るとレベルはそんなに高くない。最上位国立大や医学部等の学部受験生でも英語が得意ならば充分使えると思う。
<br /> それにも関わらず私が書店でこの本に目を引かれたのは、この単語集の例文の独自性のためである。この単語集の例文は、院試の過去問や英米で使われている教科書等から成るコーパスから選ばれた用例を例文として使えるように手直ししたものである。この例文を読むことで、ただ見出し語を覚えるだけでなく、院試の和訳練習にもなる。また、例文を覚えることで学術的な発信用にも役立つと思う。
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著者は早稲田大学の人気講師。その人柄の良さと分かりやすさには定評がある。
<br />本書で特筆すべき点は、まず、厳選されている単語が、どれも実用的である点だ。
<br />私も、大学入学当時は、単語力の無さから、学術論文の読解は苦手にしていた。
<br />しかし、本著の単語を、数ヶ月間でマスターしたことにより、大きな自信がついた。
<br />大学に入ってから、大学受験レベルの英語と、TOEFLなどで頻出する英単語には大きな隔たりがあることに気づいた人も多いと思う。
<br />単語力に不安を抱える英語学習者にとって、最良の単語集である。大学院進学を考えている人だけでなく、純粋に使える単語力を向上させたいと考える人にとってもオススメの一冊といえよう。
この単語集の魅力は、学術書、論文を読むのに不可欠な単語が、コンパクトにまとめられている点にある。大学に入って、論文を読み始めると、受験の際に覚えた単語が上手く機能しなくて、かなり苦戦する。本書に示してあるとおり、学術論文と一般英語の間には、語彙の隔たりがあるのだ。無論、TOEFL対策の単語集でも同レベルの語彙が習得可能であろうが、そうした類の単語集と本書の違いは、最初に記したように、コンパクトさにある。とてもじゃないが、TOEFL対策の単語集は、短期にマスターできるものではない。一方本書は、コーパスを活用して、単語を厳選しており、短期間で、かなりの程度マスター可能な構成になっている。大学に入って、初めに手に取る単語集として、私は本書をぜひお勧めしたい。ただ、CDが付いてないのが、非常に惜しい。