原書は1970年代に書かれたもの。それくらい前のものが今も読まれているということは内容が評価されているのだろう。禅の世界をスポーツに導入し全米でベストセラーになったということだ。当時のアメリカでは今以上に,日本をはじめ東洋に対して神秘的というイメージが強かっただろう。そんなこともベストセラーになった要因かなとも感じた。
<br />さて,本書の内容であるが,やはり2006年の今からみると古いと感じる。役に立つ部分は多くあると思う。しかし,プログラムとして体系化されているわけではないので,読んでじっくり噛みしめながら自分の中で消化する必要があるだろう。初心者向けではないかもしれない。
人間には「自然に習得する力」があり、それをいかに発揮させるかが大切という。自分自身を判断・批判する自分「セルフ1」を押さえて、実行者である自分自身にプレイをさせるという考え方は非常に参考になった。無意識の持つ力の大きさを感じた。
<br /> スポーツでは視覚イメージが大切とあったので、2メートルほど離れたゴミ箱に、すっぽりと入る視覚イメージをくっきりと描いてから投げたところ、ほんとに入った。驚き。
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どんなに鍛えても、フォームを良くしようとしても、ピントがズレていればうまくいかない。そのピントを解き明かしてくれる一冊。意識を科学的にとらえることで、それに成功していると思います。テニスの本当の喜びがわかり、また、実際にプレーしてそれを実感できます。さらに、人生にも広く応用できるところが凄いですね。