今回のビジョナリーカンパニーは、普通の企業が準備段階を経て、成長段階へ飛躍することを
<br />主眼に書かれています。正直、前作は小難しい表現が多かったせいか、あまり参考とする点は
<br />なかったのですが、今回はわかり易く、かつ具体的なので非常に参考になります。前作をしのぐ
<br />作品と言えるでしょう。
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<br />さて内容の方ですが、やはり最も重要な点としては、経営者がどのレベルに達しているかということだと思います。
<br />本書では、最高のランクを第5水準の経営者と名付けていますが、このレベルになりますと、
<br />性格的には非常に謙虚で控えめなのですが、自分の仕事に関しては熱い情熱を秘めているといった感じです。
<br />(世間で騒がれているカリスマ経営者とは、正反対の位置付けになろうかと思います。)
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<br />次に重要なのが、適切な人材を集めるということです。これは能力が高い、低いという基準だけではなく、
<br />性格的にも企業理念に集えるかといった点が重要となります。謙虚な経営者の元、優秀な人材が
<br />集うといった印象でしょうか。このような規律ある人材が集まった場合、当然のことながら厳しく管理する
<br />必要などはなく、そこから自然と企業のおける目標ができ、企業文化が根付くのだと思います。
<br />(ここでいう目標とは、企業の成長やお金といったものではありません。これらはあくまで結果論だということです。)
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<br />その他、ニッチな得意分野に業務内容を絞るといった点なども参考になります。経営者にとっては
<br />まさに「座右の書」となるべき本であると思います。
ビジョナリー・カンパニーの第二弾。ビジョナリー・カンパニーでは偉大な企業にはどんな共通点があるのか、またそれを長年維持し続けるためにはどうしたらいいのかが書かれているのに対し、ビジョナリー・カンパニー2ではどうしたら既存の普通の企業を偉大な企業に変革できるのかについて書かれている。
<br />そしてここに書かれている概念は、会社経営だけでなく、あらゆる仕事に応用できる。この本の中にはあるチームのコーチに例も出てくる。
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<br />この本を読んで、冷静に現実を見つめながら、軸を定め、決してあきらめずにじわじわと進み続けることが一番重要であると感じた。
<br />実に、経営だけでなくあらゆることに言えることである。
p.74の図にあるように、最初に目標があり、その後に人を選ぶという方法はGoodな企業には見られるが、Greatな企業は逆の順序を取り、最初に人を選ぶのである。
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<br />そして方針は天才が考えたとしても、それは極めて単純(鼠針)であり、それが3つの条件を満たす時、優れたビジョンが出来上がるのである。
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<br />また、Greatな企業は「走りながら考える」ではなく、「這い、歩き、走るを信条としている」というスタンスで徐々にかつ確実な方法で、成長を加速させるのである。
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<br />極めつけは、偉大なビジョンの常識外の効果である、p280から始まる「弾み車効果」である。
<br />ほとんどの人は「協力への働きかけなくして改革なし」と思っている。もちろん、この本を読む前までの私も。
<br />しかし、そのような働きかけ自体は「適切な人」と「適切なビジョン」があれば、ほとんど不要なのである。