途上国の人々を貧困から救うには、国際機関やNGOで活動するしかない!
<br />今の環境破壊を食い止めるためには、消費を減らすしかない!
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<br />そんな風に今まで思っていた方なら、きっとこの本を読んで「良かった」と思えるはずです。
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<br />私は元々ボランティア活動や国際協力に関心を持っていましたが、政治的な要素の強い政府や国際機関による開発援助の仕方に疑問をもった矢先にこの本に出会って、思わず手に取りました。
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<br />貧しさ故にお金を借りられず、数千円で始められるような商売ができない人がいるのなら、そんな人たちのための融資の仕組みを作ればいいじゃないか。
<br />世の中にどうしてもプラスチックがないと生活が成り立たないのなら、土に返れるプラスチックを作ればいいじゃないか。
<br />科学洗剤を使えば使うほど水を汚すのなら、使った洗剤を100%回収して、捨てずにリサイクルすればいいじゃないか。
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<br />一つの問題に対しての解決法は一つじゃない。
<br />そんなことに気づかせてくれる一冊だと思います。
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<br />社会に貢献したい人のみならず、これから起業を考える人にも是非読んで頂きたい一冊です。
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<br />ただし、一つだけ欠点があります。
<br />それは、この本には各事例の良い一面しか描かれていないということ。
<br />例えば、フェアートレードの問題一つとっても、実際のところ、コーヒーなどのプランテーション農園では、先進国の輸入業者がフェアトレードで女性差別をなくすようにと条件を出したところ、農園主が女性の雇用を敬遠するようになって、逆に貧しい女性たちの生活を圧迫したりしているケースもあります。
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<br />このように、物事には常に色んな側面があるということを念頭に置きながら読むと、この本からまた新たな世界が開けて来るのではないでしょうか。
こちらの本はフランスでも主に若者の間で好評のようです。
<br />日本語訳がでているので、嬉しい驚きでした。
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<br />いろんな場面で、人間として地球に生まれ、諸々の不条理、どうにか
<br />したい・・・と思っていました。ただ、社会にでてお金を稼ぐとい
<br />うことと両立するにはどれくらいの可能性があるものかと思っていました。
<br />お金をたくさん稼いで、寄付をするという考えもあります。
<br />もっと直接的に、志とビジネスが循環する、独立採算の道があれば
<br />それに越したことはないとも思っていました。
<br />はじめによい志ありき、資金力があったらもっといい・・・
<br />自分の身を犠牲にして大義に尽くそうとは、殆どの人が思わないでしょう。
<br />私もその一人です。
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<br />この本では、パターンはいろいろあれ、世のため地球のためと
<br />自分の成功を両方叶えた人たちのケースがのっています。
<br />今後、我々が実践していかなくてはならないことはこういう
<br />かんじのことなんだという、イメージをそれぞれに与えてくれ
<br />ます。
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<br />20代の若者が2人で書いた本だけあって、もってまわった
<br />表現や専門的な用語なども使われておらず、主婦、学生、
<br />ビジネスに携わる人などすべてのシチュエーションで暮らす人
<br />に読みものとして楽しめる本となっています。
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<br />ひとつ残念なのは、ここに出てくるすべての人の姿や
<br />活動する姿がみたいとおもったこと。写真があったら本当、
<br />もっとよかった。
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<br />企業家、起業家の間で、こういう考え方が主流になったら
<br />いいという気持ちをこめて、星5つ。