ハーバード・ビジネススクール(HBS)において日本人として4人目となる成績上位者5%の優秀生の称号”MBS with High Distinction”を獲得した岩瀬大輔氏
<br />本書は岩瀬氏が留学期間中、リアルタイムに更新しつづけた人気ブログ「ハーバード留学記」を書籍化したもの
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<br />他レビュアーもおっしゃっているように、ブログを書籍化したという少し特殊なもの(最近では常態化してきた感もあるが・・・)なので、本書中の文章がやや冗長的なのは否めない
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<br />しかし、本書はその点を差し引いたとしても、それを補って余りあるほど魅力的なものである
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<br />その一見雑然とした内容の中に著者自身が留学という貴重な経験の中でまさしくその瞬間に感じたこと、また考えたことが敷き詰められている
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<br />とくに「6章 キャリアと人生の送り方」はオススメ!
<br />私は自分のキャリアを考えるとき、自ら設計し構築しなければならないという固定観念に囚われていたので、”キャリアは偶然の積み重ねで予期せぬ出来事でできているとする”という考え方を著者自身の経歴と照らし合わせながら考えると目を開かせてもらったように思う
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<br />本当に優秀な人間とは、特別な才能を持っているから優秀なのではなく(・・・それもあるだろうが)、現実を冷静に見据え、それでいてつねに情熱を持ってひるまずに行動を起こせる人であることを改めて考えさせられた
<br />そしてそういった人間になることがいかに難しいかも・・・
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<br />ブログだからこその硬軟織り交ぜた内容は単なる読み物としても面白いし、それでいて以上のように示唆に富んだものもあり、より多くの人にとって一読の価値があると思う
<br />なかなかの大書であるが、それほど苦にせず読めるので、この少し長い休みにでも読まれるとよいのでは!?
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著者の知り合いであるので、書評というよりは、著者評になってしまいました。↓
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<br />コンサルティングやプライベート・エクイティは、頭の良さとガッツで勝負できる業界であり、上流意識も強まっているため、教養も求められる。著者のような方が最も活躍できる分野だろう。
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<br />一方、ベンチャー事業の世界というのは、頭の良さとガッツに加えて、人間力・キャラクターが問われる世界である。最後の点については、著者自身も課題として認識しているだろう。
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<br />ただ、彼が関わっているベンチャー事業というのは、「1.準大手がバックについている、2.頭の良さが最重要な金融業である、3.代表取締役としての参画ではない」ということで、著者には適したフィールドを選択したと思える。スーパーサラリーマンからウルトラサラリーマンへのグレードアップであろう。彼にガレージベンチャーをゼロから立ち上げるのは似合わない。
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本書は、ハーバードMBAに留学した1人の青年がブログでつづった文章を編集したものだ。
<br />東大法→BCG→VC→PE→HBSと進んだ著者の経歴はぴかぴかだが、
<br />それを感じさせぬフランクな語り口に深く共感させられる。
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<br />内容は、日米文化事情やHBSの授業風景、投資ファンドの最先端動向などだが
<br />本質をついた鋭い分析と独自の考察に、頭のいい人はいるものだと、と素直に感心する。
<br />一方で、著者が自らの原則(principle)は何か?と自問する姿は、30歳の等身大のものであり、
<br />本書が、1人の若者の成長譚とであることを表している。
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<br />今後、その抜群の知性に、ゆるぎない信念が結びついたとき、どれほどの偉業を達成するのか、今から楽しみである。
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<br />卒業後は、起業されて生命保険ベンチャーを立ち上げられたとか。
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<br />今、もっとも期待したい起業家の1人である。