丁寧に書かれているので、オブジェクト開発に関わる人ならば、どのレベルの人でも役立つ本です。ある程度経験を積んだ中級者以上の方は、自分の仕事との対比をしながら、反省と今後の指針に使えます。初心者の方は、これからの自分の仕事のガイドラインとして、この本に書いてあることを実践することが推奨されます。UMLは実際の仕事のために必要なレベルまで著者自身が拡張していますから、標準と違うところもあるので、注意して使用してください。
オブジェクト開発と言えば、UMLの書き方を中心としたテクニックに関する本が多いが、本書は、オブジェクト開発の基本に立ち返って、UMLという手法に「魂」を入れるための本と言える。とは言っても、精神論とか宗教論的なあいまいなものではなく、具体的なモデリングに踏み込んでいる。UMLを使ったモデリングの本は、実際に鉛筆を走らせながら出ないと理解しにくい本が多いが、本書は含蓄の多いまとめが各所に散りばめられており、それを中心に読んでいくと、頭に入る内容である。
オブジェクト指向開発の初心者から中級者のかたには是非読んで頂きたい。オブジェクト指向開発を取り巻く最新の技術の概要とオブジェクト指向開発の基本的な概念がきわめて丁寧に説明されている。<br>私はUML+オブジェクト指向開発のトレーナーもしているが、受講生がこれを読んでくれたら、その仕事は無くなるだろう。<br>オブジェクト指向開発入門者がつまずきやすいところ、混乱しやすい用語、が目に見えてわかっているかのような丁寧な説明。しかもわかりやすい日本語と注釈。<br>オブジェクトをどのように定義していくか、UML2.0のモデルをどのように活用していくか、パターンはどう使うか、開発プロセスをどのように定義していくか、などなど、まさに神髄が手に入る。<br>オブジェクト指向ばりばり開発者でありながら、ビジネスアプリへの適用やデータベース周りにも強い、しかも説明が上手、本を書くのもうまい、というアンブラーさんはすごい人。<br>とにかく1冊、という時はこの本を読んでほしい。