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もりのなか ( マリー・ホール・エッツ まさき るりこ )

正直、私は、この絵本を見て、惹かれるものがありませんでした。モノクロだし、絵がキレイなわけでもないし。(失礼!) <br />それでも娘は、気に入ったようです。単調なリズムが心地よいのか、動物がどんどんついてくるオチが気になるのか???はて? <br />とにかく、大人の脳では、「え?なんで?」という独得の不思議感がいっぱいです。動物なのに、洋服を着ている・・・んだけど、どこかチグハグで妙な感じ。登場する動物が、「何をしているのか?」が、妙な感じ。登場する動物の行動が、摩訶不思議なんだけれども、主人公の男の子は、歩き続ける。当たり前のように。 <br />このワンダ−ワ−ルドが子ども心を惹きつけるのかもしれません。 <br />この感じ、妙に眠りに誘うものがあるかもしれません。 <br />

どこかの絵本展にでかけた会場で主人が気に入った購入しました。私は白黒のデッサンのような絵に、ちょっと物足りなさを感じつつもなんとなく素敵な絵本だな〜と思っていたのですが、意外にも子どもは気にいって、忘れたころに、「これ読んで」ともってきます。 <br />きっと子どもの心にひきつける何かがある絵本なのだと思います。 <br />アニメのような絵ばかりが多いこの頃ですが、案外この素朴な絵本は、子どもの心をほっとさせる力をもっていそうですよ。

1歳ごろから家の本棚に並べていましたが、娘が自分で手に取り持ってきたのは2歳過ぎからです。モノクロの絵ですが不思議な魅力があるようで、森の雰囲気や動物の表情を堪能しているようです。そして娘が絵本をめくりながら暗唱(ほとんど完璧に)しているのをみて、ああこの絵本は文もすばらしいんだと遅まきながら気がついたんです。子どもが書いた文章のようなのです。句読点の位置も子どもの息継ぎそのまま。私が読んであげてる時、無意識に子どものような読み方になっていたのですが句読点を正確に読んでいるとだんだん子どもがしゃべっているようになってくるんです。だから2歳でもすんなり文章が入ってくるんだなあと思い、原作の持つ魅力を損なわない訳も、すばらしいと思いました。読めば読むほど味わい深くなる絵本です。 <br />

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もりのなか&nbsp;&nbsp;&nbsp;紙の帽子をかぶり、新しいラッパを持って森へ散歩に出かけた男の子。ラッパの音を聞いて、森でくつろいでいた動物たち――ライオン、ゾウ、クマ、カンガルー、コウノトリ、サル、ウサギ――が次々と散歩に加わって、長い行列ができあがる。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;ライオンは髪をきれいにとかし、ゾウはセーターに着替え、クマはジャムとピーナッツを持ち、カンガルーはおなかのポケットに赤ちゃんを入れ太鼓を手に…。いそいそと身支度をする動物たちの姿はユーモラスだが、擬人化されすぎていないのがいい。特に、ウサギはひとことも発せずに男の子のそばにただ寄り添っていて、お話に不思議なリアリティを与えている。男の子が、次々と出会う動物たちに大はしゃぎするでもなく彼らを従え、淡々と散歩を続けていくのもおもしろい。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;絵は白地に黒一色で描かれている。うっそうと茂る木々の奥はただただ黒く、森が持っている怖さと紙一重の魅力をたっぷりと伝えてくれる。1963年発行の、ロングセラー。(門倉紫麻)
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