スーホの白い馬―モンゴル民話
(
大塚 勇三
赤羽 末吉
)
横長の絵本を拡げると、モンゴルの大平原が目の前に。
<br />小学校の教科書に採択されて早ン十年。物語そのものは人口に膾炙された、と言っていいでしょうが、改めて絵本で読むと、その良さがいっそう伝わります。
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<br />冒頭いきなり現れる二重の虹の迫力。競馬の場面の、広大な平原を俯瞰する構図。そして、悲劇を予兆するような、怪しく立ちこめる暗雲…。
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<br />横暴な権力に無理矢理引き離されてしまった少年と馬。しかし、どんな権力や財力を持ってしても、真実の愛情を断ち切ることはできません。
<br />悲しい、やるせない物語ですが、馬頭琴に象徴されたそんな心の絆に、救いを感じます。
<br />マンガチックな、アニメチックなイラストには望み得ない、
<br />生の躍動感あふれる「絵」本である。
<br />親というものは、えてして見た目キレイな絵本を与えがちではあるが
<br />子供がせがむ本は、決してそういう絵本ばかりでないことを
<br />長いこと読み継がれている本書が証明している。
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<br />遠いモンゴルの話でありながら、私たち日本人が忘れつつある
<br />「古き良き日本」とオーバーラップする点が
<br />教科書にも採り上げられる秘訣なのであろう。
小学校の時の国語の作品を思い出し検索したら、私の教科書にはありませんでしたが、スーホの白い馬が載っていて感動したと書いてあるのを読み、早速購入し朗読しました。<br> 心優しき少年と、白馬の物語。読んでいるうちに最後は涙が止まらなくなり、声になりませんでした。また、いろいろ考えさせられる名作ですね。
スーホの白い馬―モンゴル民話
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 | 淡い、水彩のような絵で描かれた、モンゴルの民話。あまりなじみのない馬頭琴という楽器ができた、そのわけが語られる。 <p> スーホというのは、昔、モンゴルに住んでいた羊飼いの少年の名前。貧しいけれど、よく働き、美しい声をした少年だった。そのスーホがある日つれて帰ってきた白い子馬は、だんだんと大きくなり、スーホととても仲良くなった。スーホは白い馬のために、白い馬はスーホのために一生懸命だった。ところが…。 <p> 見知らぬ国モンゴルにノスタルジーさえ感じさせる絵の色彩とトーンが、悲しくも美しいストーリーにいっそうの深みを加えている。叙情的なストーリーと絵の両方をゆっくりと味わってほしい。読んであげるなら4歳から、自分で読むなら小学校中学年から。(つちだみき) |
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