福音館の童話はたくさん読んだが、もっとも気に入った作品がインガルス一家の物語で、40歳になった現在でも所有している。
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<br />シリーズの一番最初のこの作品では、主人公がまだ幼なく、ウィスコンシンの大きな森における日々を、楽しく詳細に、記述している。
<br />基本的になんでも手作りで、食料はお父さんがしとめてくる。冬が長いので、加工品をつくり、屋根裏部屋に置いておく。 家族を守るお父さんが本当にかっこいい。
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もう30年以上も前の事です。<br>小学校の図書館で何を読もうか迷っていました。ドリトル先生は何となくありきたりだし如何しようと本棚を眺めていたときに、福音館の綺麗な本に目が留まりました。小さな家シリーズとの出会いです。<br>あっという間に読み切った事を憶えています。こんなに本にのめり込んだのは幼稚園の時の絵本以来でした。<br>ローラが目の前で話している様な、そして気が付けば自分も一緒にストーブの近くで、もうすぐ出来上がる料理の匂いを嗅いでいたり、雪の上でメイプルシロップの飴を作ったり。開拓時代のアメリカなのに、不思議と自分をその中に置き一緒に感じる事が出来たのです。<br>インガルス一家は貧しい開拓民のはずなのに、それでもとても幸せに映ります。<br>物語をとうして、実はその幸せは家族の構成員それぞれが努力して作っている事を教えてくれます。愚痴っぽい事は殆ど言わない父母、その両親に恥じない自分になろうとする子供たち。<br>この本の中には、愛と思いやりと厳格な道徳心、そして茶目っ気たっぷりな不撓不屈の開拓者精神が満ち溢れています。<p>娘のローズに徹底的に添削されローラは相当怒ったそうですが、それでもこのシリーズを作ってくれました。そして子供の心をひきこむ名訳をして下さった恩地さんにも感謝です。<br>おじさんになってしまった今でも、時々読み返しています。
福音館から出ている恩地三保子さんの日本語訳は、小さな頃から本が擦り切れるくらい読んでいて、英語の原作本も持っています。<br> 英語を耳から聞く学習にと思って、少しずつ名作と言われる本の朗読CDを取り寄せてみているのですが、はじめのうち、なんだか教科書を読んでいるみたいな朗読で、イマイチだったかな、と思いきや、実はトニー賞を獲得した有名な女優さんだとかで、聞いているうちに、だんだん引き込まれてきました。<br> 英語ははっきりと聞きやすいです。そしてなんと、文中にたくさん出てくるローラの父さんが歌う歌は、fiddle(バイオリン)の伴奏付で、歌ってくれていました!幼い頃から、この歌ってどんなメロディなんだろう、と思っていたのです。fiddleの音色も当時をしのばせ、なかなかよい。<br> 長年の疑問が氷解し、ああ、この歌は、実はこのメロディだったのね(日本人にもなじみのある曲が多いのです)と、今は鼻歌で歌っています。シリーズの他のCDも聴いてみたいと思います。