現代のがん治療への問題指摘は多いが、その理由のひとつに、治療による患者へのダメージが大きすぎる、というものがある。
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<br />抗がん剤にせよ、外科手術にせよ、身体へのダメージは大きい。治療後の生活の質の低下は決して無視できるものではない。そうして患者は、寝たきりになっても延命がいいか、普通の生活を送りながら目前の死を待つのがいいか、という究極の選択を迫られることになるのである。
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<br />安保氏は、そのような究極の二択から患者を救う。抗がん剤や外科手術を行うことなく、がんを消滅させることができる、というのである。いったいどうやって?それは人間がもともと持っている免疫の力を最大限に回復させることによって、である。
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<br />安保説のがん退治メカニズムは以下のとおり。
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<br />1)交感神経と副交感神経がバランスしているとき免疫力は高く、がん細胞は死滅する。
<br />2)しかしストレスで交感神経優位になると副交感神経が抑制されてリンパ球が減る。
<br />3)がん細胞を殺す役目をもっているリンパ球が働かなくなってガンが進行する。
<br />4)だからガンを治すにはストレスを減らしリンパ球の働きを回復すればよい。
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<br />抗がん剤も放射線も手術もストレスを増やすのでダメ、と安保氏はいう。それよりも、笑いなさい、ストレスを生む生活習慣を変えなさい、という。それだけでいいのか?YES。それだけでいいのである。
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<br />一見、トンデモない眉唾に聞こえるが、たとえば、慶応の近藤誠医師のガンもどき説や、丸山ワクチン、アガクリスなど、世にあまたある非公認のがん治療法に比べて、理論的背景に相当の説得力がある。免疫療法を施術する医院も全国に広がっているときく。他にも多数、同じ内容の著作が出ているが、安保説まだの方は、一冊は読んでおくべきである。
新潟大医学部の教授によって書かれたこの本では、ガンの自然治癒は決して奇跡ではなく、当り前のことであると明言されています。<p>最新の医学でも治癒率は格段に上がってはいますが、ガンに対する難治性という一般のイメージは、昔からあまり変わっていません。<br>ところが、この本を読むとその常識は覆されます。<p>一番驚かされたのは「転移は治るチャンス」というくだりでした。<br>今までは転移したら終わりのように言われていましたが、よく考えてみれば子どもや若い人ほど転移が起こりやすいのです。<br>「転移するガンほど治りやすい」「転移は怖くない」という本文内の言葉は、この病への怯えを取り去ってくれるものだと思います。<p>年配の方には転移が少ないですが、その分、進行も遅いので重症化せ�!��!!にすむことが多いと聞きますから、いずれにしても今までの固定観念を取り除く必要があると感じました。<p>病気よりも先に治すべきなのは、ガンという病へのイメージであり、私たちの意識でもあります。<p>まさに「病は気から」です。いかに本人が努力しても、周囲の人たちが古い考えに縛られていたのでは足を引っ張る結果にもなりかねませんから。<p>内容は生活習慣の見直しから免疫療法まで多くを取り上げているため専門的ですが、解説は丁寧でわかりやすく読みやすかったです。<br>患者さんだけでなく、ご家族やお友達など支える方々にもお薦めします。