どこか懐かしげだ。懐メロのよう。
<br /> 猫とぼっちゃんのやりとりが好きだ。猫村がある女性を思い出しながら真似をして腰をふりながら歩くシーンが好きだ。
<br /> 感情が高ぶったときに、つい爪研ぎをしてしまう猫村が好きだ。
<br /> オニコと猫村の関係はどうなるのか、発展するのだろうか?
<br />どれもが面白いが、個人的に、家政婦が集まる家でのシーンは、ちょっと退屈だ。
<br /> 早く、3を出してほしい。
作家自身のホームぺージで、一日一コマ、という超スローペースで連載されてきた漫画が、やがて話題となり、今単行本になっている(現在二巻まで)。
<br /> 幼き日に別れた、拾い主であり飼い主である心優しい“ぼっちゃん”との再会の日を夢見て家政婦として働く猫村ねこさん。料理(特製ネコムライス、食べてみたい!!)も掃除も洗濯も買い物も、何でも完璧にこなす猫村さんであるが、コタツでついつい居眠りをしてしまうおっちょこちょいなところも、また人情味(?)溢れて、思わず笑みがこぼれる。そしてまた、ちょっぴりおセンチでお節介でもある猫村さんは、読者自身をもお節介にし、やきもきしながら彼女たちの世界を覗き見するような気持ちにさせてしまう。
<br /> とぼけた画風に、ノスタルジックなムード、そして一コマ一コマに織り込まれる猫村さんの些細な、しかし温かい心意気が、それほど刺激的でもない日常(ありふれた日常をパロディにしたシーケンスにも思わずニヤリとさせられる)を描いたストーリーを、かえってほのぼのとしたものにしている。
<br /> “お嫁さんにしたい猫ナンバー1”の名に恥じない働き者ぶりを綴る、高度に叙情的な本書は、古き佳き時代の漫画―そう『サザエさん』の現代版である―の趣きで、我々に平凡の中にある宝の何たるかを思い出させてくれるだろう。現代社会の幸福観は、猫に教われ!!である。“ぼっちゃん”と猫村さんの再会を、お節介に願いながら。
猫村さんの可愛さと愛敬は相変わらずですが、今回の奉公先のご主人の台詞「欲張ってはいけない。時々心を空っぽに」は胸にジンとくるものがありました。こういう台詞を書ける作者のほしよりこさんは、なかなかの苦労人かもしれませんね。人生を生きていると、時には大切な何かをあきらめたり、別れを告げたり、忘れたりしなくてはいけないときもあること、そしてその辛さや切なさを身にしみて知っている。そんな人のような気がします。
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