ヤマグチ氏のゼロの使い魔もついに7作目。<br />今回は長く続いた戦争も終わりをみせ、才人とルイズのお互い素直になれない純な関係の進展も気になるところ。<br />でも一番は…。<br /><br />読んでください。才人の勇気を。<br />誰の為でなく、ルイズの為に戦う才人がとてつもなくかっこいいです。<br />
ライトノベルのお手本のような展開をみせるゼロの使い魔7巻。毎度のごとく才人とルイズはすれ違っています。ただ、戦争が本格化するののも相まって、今回のすれ違いはより大きいものです。ルイズはいじらいしく才人を心配しながらも素直になれず、才人は戦争に打ちひしがれた上にルイズにフラれたと勘違い。さらにはルイズの貴族としての「名誉」と才人の思う「命」が真っ向から対立し、二人の仲はさらにギスギスしてしまいます。
<br /> 今回のお気に入りのシーンは、デルフリンガーとルイズのやり取りとラストです。才人についてデルフと相談するルイズ、モグラ状態になってしまった才人を励ますためにデルフが提案した方法は…、読んで笑ってください。
<br /> 今巻ラストのシーンはルイズや自身を取り巻く異世界への才人の決意が、すれ違った分より強く現れています。今回誰よりも「命」を惜しんでいた才人ですが、これが物語中でもっとも彼らしい姿と言えるかもしれません。
<br /> ルイズと才人のラブコメも見ていて楽しいのですが、ゼロの使い魔全体としても丁寧伏線引きつつ回収し、物語も折り返し地点にきたように思えます。黒幕も姿を現してきて今後も楽しみです。
今回は「プライド」と「命」の対比みたいなものが裏テーマだったように感じました。「プライドよりも命が大事」と訴える才人に対し、「プライドを捨てたら貴族でなくなる」と、意見が真っ向から対立するルイズ以下貴族一同。傷ついた才人を慰めるシエスタの姿には本当に心打たれます。特に今回はとうとう進展があったりで…。とにかくラストの才人のこれまでにない「漢っぷり」に涙してください。美形のロマリア神官、エルフの謎のお姉さんなど気になる新キャラも続々登場の7巻!次回が実に楽しみです。