シャナがアラストールと契約する前に『炎髪灼眼の討ち手』だったマティルダの話。時は16世紀初頭。通常、徒党を組むことの無い"紅世の徒"とその討ち手"フレイムヘイズ"、それぞれが大きな集団となっての戦が起ころうとしていた...
<br />
<br />シャナと悠二の話の続きを期待していた人(私含む)にとっては残念なことに、今回は過去話です。シャナの養育に携わっていたメリヒムとかヴィルヘルミナとかアラストールの過去が覗けます。ただ、私個人としては、マティルダはあんまり好きになれなかったので、星は3つ。知らないキャラがたくさん出てくるので、まるで新しい作品を読んでいるかのように入りづらい部分はありますが、それなりに面白いです。
今回の舞台は、現代の御崎市ではなく、16世紀のヨーロッパです。
<br />なのでシャナと悠二の出番がありません。御崎高校のいつもの面々も出てきません。
<br />
<br />しかし、アラストールやヴィルヘルミナ、仮装舞踏会の面々がなど、フレームヘイズ
<br />や徒が、お馴染みのキャラも新登場のキャラも総出演の超豪華キャスティングです。
<br />
<br />人間関係(徒/フレイムヘイズ関係)の謎やしがらみ、秘密がたっくさん判明します。
<br />フレイムヘイズや徒がどのようにして生まれたかという創世記のような基本も、
<br />本巻で語られています。また、アラストールの素性も本巻で明らかになります。
<br />
<br />本巻で初登場の人物は
<br /> マティルダ・サントメール、「震威の結い手」ゾフィー・サバリッシュ、
<br />「払の雷剣」タケミカズチ、 「極光の射手」カール・ベルワルト、
<br />「棺の織手」アシズ、 「甲鉄竜」イルヤンカ、
<br />「巌凱」ウルリクムリ、 「闇の雫」チェルノボーグ、
<br />「大擁炉」モレク、 「凶界卵」ジャリ、
<br />「髄の楼閣」ガヴィダ、 「道司」ガーブ、妖花、ナハティガル
<br />
<br />これらの新登場キャラに加えて、お馴染みのキャラも勢揃いで、それはもう派手に
<br />大規模に激突しています。面白いのですが、今までの9巻のような学園物的な
<br />雰囲気は、かけらもありません。そのへんを楽しみにしている人は、がっかりかも
<br />しれません。異色な10巻です。
私の理解力が不足しているだけかもしれませんが、
<br />読む前に知っておくべき事がそれなりにあると思います。
<br />キャラクターの名前や立場などです。
<br />そのため、最初の方はどのような状況なのだろうかと思うところが多々ありました。
<br />それらの情報を一番初めに(ネタバレになるから説明出来ないかもしれないけど)持って行けば理解しやすかったのかなと思いました。
<br />なので、中盤以降は割とスムーズに読めるモノだと思います。
<br />まあ、一発で状況把握とか出来る人もいるのでしょうが。