此処に来て、長編でいきなりの失速。
<br />あとがきのネタだけではなく、本編の味もイマイチ、スパイスが効いていない。
<br />一年待って、本のほとんどがコレ? と思うとちょっと哀しかった。
<br />
<br />長編の「歌姫のいる国」が長編として、最低ランクに来てしまったような気がする。
<br />キノの旅にある、ある一種の世界観があまり生かされていない。どころか
<br />物語として、あまり面白くない。これを他の作家が書いても、凡作になりそう。
<br />
<br />短編の一つ一つは緩やかに毒が聞いていて、ある程度は昔のまま。
<br />「ホラ吹きたちの話」はとても面白かった。
<br />
<br />作者が今後、長編をまた昔のように「毒」をさらりと込めることを期待したい。
<br /> 本当に久方ぶりの『キノの旅』の新刊。
<br />しかしながら、期待していたより出来はお粗末な気がします。
<br />キノシリーズでは珍しい長編も、先が読める展開でしたし、
<br />キノの性格にも多少の変化を感じました。
<br />(よく言えば優しくなった、悪く言えば普通になってしまった)
<br />
<br /> シズサイドの話もありますが、話の軸がティーにあるので、
<br />こちらも今までとは毛色が変わってしまいました。
<br />
<br /> 挿絵は黒星様なので、とても綺麗ですが、やはり内容が薄いかと。
<br />
<br /> 個人的には前作(9巻)の方が面白かったですネ。
いつもお話のオチが読めず驚かされるところが好きですね。
<br />本巻では『歌姫』の章がお気に入りです。
<br />グロテスクな表現や、人として割り切ったドライな思考、展開が特徴のひとつですが
<br />読み手にとってそれを不快と感じさせない工夫とゆーか、表現とゆーか、話の運び方がうまいと思います。
<br />読者側もオチの予想をしながら読むと、より一層楽しめると思います。
<br />いつも良い意味で裏切られますが^^;
<br />私にとってそれが一番新鮮で読み続ける理由でしょうか。