新人作家ながら、発売日前後にはアマゾンのランキングも登場した新進気鋭の作品、『狼と香辛料』の第三巻です。
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<br /> 今作は、「経済を主体にした読み物」としてはずれてしまいました。言うなれば、「ヒロインとの関係を主体にした読み物」におまけとして「経済」が盛り込まれているのが今作です。
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<br /> 内容的には、これから物語が進む上で必ず発露するであろう、ふたりの関係についての葛藤を描いたものとなっており、全編通して考えるのならば、必要なお話ではあったと思いますが、この第三巻のみを考えるのならば、些か物足りなく感じてしまうというのが正直なところです。
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<br /> 加えて、最後の「締め」が捻りも何も無い終わり方になっており、なんとも不満が残るところでした。
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<br /> 総じて言えば、文章には嫌味が無く、すらすらとページを捲ることができたし、ふたりの恒例のやり取りも健在なので、まだまだこの先が楽しみな作品であるとは言える。
2巻まで読んで面白いと思った方はまず買って損はないでしょう。
<br />3巻では2巻のようにホロ以外の女の子にロレンスがちょっかいを出すことなく??ロレンスはホロにかかりっきりです(今度は年上系美人が出てきますが)しかしロレンスに恋のライバル現る!?
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<br />キャラに萌えてなんぼのライトノベルですがお話も自体もとても良く出来ていて言うことなしのこの”狼と香辛料”ですが、私はこの3巻でちょっとホロのあのしゃべり方がしつこく感じてきてしまいました(別にいやじゃないんですけど)。
ライトノベルとして人物の描写、関係性の描きこみとして今までよりも密度は文句なくあがっており、そこを醍醐味として読むならば4つ星以上の評価となろうかと思います。ただ、今まで経済ラノベとして新しい、それこそ本書に従うならば商域を開拓してきたという点をこそ評価してきた人間にとっては物足りない。
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<br />生きたままの鮮魚輸送することでプレミア化させるという比較的最近の経済ネタを除くと、経済ネタの本編の織り込み方に唸ってしまいました。たとえば今回の占い用で一時的にプレミアがついた鉱物での先物取引は、素直に本書を読むと最後の最後で膨大な売り+最高値で売り抜けた以上莫大な利益が(少なくともホロ分)でているでしょ?う〜ん。