ここに登場する人たちはヒーローではなく犯罪者である。侵入者は人々の善意を逆手にとって悪事を働いている。彼らは相互信頼社会を破壊して、人々を相互不信に落としいれ、その一方でセキュリティ対策を教えるといって商売している。高度セキュリティ社会は情報にアクセスできる人を圧倒的な優位に立たせることになるだろう。
技術的なハッキングの手口というものについてはほとんど触れずに、
<br />ハッカーがなぜハッキングするのか。
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<br />ハッカーに対してのインタビューを通して、
<br />その興味が向いている方向を示している。
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<br />難解な箇所というものがまったくないので、
<br />専門外の人にも、読み物としてお勧め。
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<br />セキュリティの大切さと、難しさなど伝わってきます。
内容としては、11編からなる短編集のような感じです。
<br />実際にハッキングを行った人物からのインタビューを織り交ぜながら、ストーリー立てて書かれています。
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<br />筆者も触れていることですが、ハッキング等の詳細はそうそう世に出てくることではないので、真実が書かれているかは判りませんが、それはさておき、読み物として十分に面白い内容でした。
<br />コンピュータやプログラミングに関する知識がなくても楽しめる読み物として位置づけられると思います。
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<br />ただし、ただの小説として考えるなら少し値段が高いかな、と思ったので★4つにしました。
<br />ハッキング(正確にはクラッキング)に興味があるなら楽しく読めると思います。