デザインの仕事をしている関係上、デザインのABC的なものを
<br />ざっくりでいいから教えてくれと言われる機会がある。
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<br />簡単に言われるが、非常に難しい。
<br />特にデザイン初心者に伝える場合、何から教えていいか困り果ててしまう。
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<br />デザイン=感性 という考え方は否定はしないが、
<br />商業デザインにおいて、根本になるのはやはり「情報整理」である。
<br />ユーザに何を伝えるか、この1点を最後までルール化できるかどうか
<br />それに尽きる。
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<br />デザインはすべてに共通する「答え」がないところが難しいとされる。
<br />1+1=2のように答えが明確でないからだ、と。
<br />それは実は間違いで、ひとつひとつのデザインの中には
<br />必ずルールがあり、答えは存在する。
<br />1+1+=2にならないのは、すべてのデザインにあてはまる
<br />ルールが明確でないと感じる人が多いからだろう。
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<br />デザイン一般における「明確なルール」をこの本は
<br />順を追って教えてくれる。
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<br />デザインをはじめる前はもちろん、
<br />デザインをはじめたばかりの人、
<br />デザインに煮詰まった時、
<br />デザインを教える立場になったとき、
<br />もう一度読み返す本だと思う。
本屋でタイトルに惹かれて手に取った。デザインとは縁がない
<br />生活をしており、専門家の読む書物かなと、少し身構えつつ
<br />中身を確認した。・・非常にわかりやすい。
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<br />本書はデザインの基本的なルールを項目ごとに解説している。
<br />解説は良い例・悪い例、そして実際にルールを用いた作品を紹介し、
<br />言葉だけでは難しくなりがちな内容を、概念で理解できるよう
<br />配慮されている。
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<br />本書を読んで感じたことはデザインは情報の整理であり、
<br />相手に情報を伝える技術だということである。
<br />これはデザイナーという職業だけでなく普遍的に重要なスキルでは
<br />ないだろうか。例えば普段の仕事メールでは「情報を整理」し
<br />「近接と遠隔」を用いて相手に誤解を与えないよう文面を工夫する。
<br />本書は普段何気なく使っているデザインのルールを気づかせ、
<br />さらに未知のルールを学習することで表現の幅を広げてくれる。
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<br />簡潔かつ分かりやすい表現でデザインの普遍的なルールをまとめた
<br />本書はデザイナーの卵からビジネスマンまでお勧めである。