「ヤコブ・ニールセンのAlertbox」を愛読していたので、本書の出版を知ってさっ
<br />そく購入し、読み始めた。
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<br />しかし、何かがおかしい。
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<br />何もかも説明不足で先に進んでしまう。本文中のサンプルWebページの印刷は白
<br />黒で紙質も悪いため、文字が判別しにくい。その代わりか、本の最初の十数ペー
<br />ジにカラー図版があり、本文と同じWebページが載っているが、こちらは小さす
<br />ぎで文字が読めない。その上、図の並べ方が本文と異なっており、無意味に前後
<br />している、等々。
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<br />原書はおそらく全ページ色刷りで、本文中にWebページの見やすい画像が載って
<br />いるのだろうと予測し、かなり価格が高いが、取り寄せてみた。
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<br />先ほど届いた原書を見て驚いた。「翻訳書」の方には無い図がたくさん載って
<br />おり、最初は、違う本の原書を買ってしまったのかと思ったほどである。
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<br />要するに、この「翻訳書」は、原書の内容をずたずたにして半分以下に削ったも
<br />ので、「翻訳」ではなく、「抄訳」である。しかもそのことを、どこにも断って
<br />いない。この抄訳でも多少の役に立つであろうが、原書はおそらくそれより何十
<br />倍もの豊かな内容をもつものに違いない(筆者は未読だが)。ヤコブ・ニールセ
<br />ン氏はこのことをご存じなのだろうか。
御大の本が出ましたね。あの「ウェブユーザビリティ」の続編という位置づけでしょう。「Skip Introは恥ずかしいデザインの象徴」とか、3クリックルールの否定など、なんとなく普段仕事(Web制作)で当たり前にやってしまっていたことがバッサリ斬られていて、さすがニールセンですね。特にビジネス向けを強く意識しているようで、ユーザビリティの低いサイトは機会損失につながるというメッセージが一貫している。翻訳本なのでどうかなと思っていたけれど、訳も読みやすく翻訳臭さをまったく感じなかった点も○。値段はチト高めだけど。