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| 悲鳴をあげる学校―親の“イチャモン”から“結びあい”へ
(
小野田 正利
)
学校に、対応が不可能だったり、理不尽だったりする要求が地域や親から寄せられているという。この本はそういうイチャモンの実態を詳細に紹介しつつ、なぜそうした事態が起こるのか、また、その理不尽な要求にどう応えるか、学校も親も双方が萎縮せずにしかし的確に対応するにはどうしたらよいのかに答えようとする、模索の書である。イチャモンのほとんどは、実は無茶に思える要求それ自体が要求ではなく、別のところに本質的な悩みがあるのだという。その本質的な悩みに教師は心を至らせ、親も教師にいきなり怒らずに伝えていく、そして双方の立場を理解していく中で解決策を探っていくことこそが大切なのだという。
<br />構造改革やら、不況やら、社会状況の変動が急速かつ劇的で、教師も親も忙しすぎて、相手のことをおもんばかったり、理解したりする、知識や枠組みも持ち合わせておらず、そうした知識を吸収する余裕もないゆえのことらしい。そういえば、給食費を払えない親を責めるばかりで、親の経済状況には思いが至らないという教師がいるとも聞いた。
<br />この問題は学校だけの問題ではないだろう。苦情やイチャモンをやり過ごす方法ばかりがもてはやされているが、そではなくてイチャモンを本質的な問題の解決の契機としようとする著者の強い意気込みが感じられる良書である。
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