本書は何度も読み返す価値のある本だ。今までさんざん語られてきたU2の音楽や歴史、メンバーたちの誠実で真摯な姿勢といったものはほとんど書かれていない。ボノが語っているように、とっちらかった、彼の行動の記憶を現在の視点で整理整頓し、今の自分とこれからの自分というのを見つめ直す編集作業の過程が本書である。
<br /> 特徴的なのは、これまで彼は自らの信仰について多くを語ることがなかったのに、今回は頻繁に言及されていることだ。家族についても、テクノロジーや経済、政治についても、ほとんど無防備に語られていると言っていい。そして最も多くのページが割かれているのは、現在の彼の、音楽以外の最大の関心事であるアフリカである。これらは多少なりとも現代史や世界情勢の知識がないと読むのに苦しい思いをするかもしれない。チャリティや人権問題に多くの時間と手間をかけてきた彼だったが、やはり最新・最後にはアフリカに帰結する。絶対的な貧困や不平等という問題は、先進国に住む我々には出来れば触れたくない話題であるが、彼はキリスト教者の確信を持って克服のための行動を何度も促すのである。
<br /> 有名人の中で最も多くの政治家、芸術家、文化人を訪ねた彼が、その時々の印象を語るのも興味深いが、何のために彼らと会い、何のために彼らと握手をするのか、それがロック・スターとどうつながるのか。本書は一人の行動する哲学者、伝道師の優れた記録である。
ミュージシャンというよりはボノの人となりが書かれている本でしょう
<br />音楽の話より宗教 政治的な活動の内容の方が多いです
<br />音楽的なことを期待するとu2の音楽のようにいい意味で
<br />裏切られますがボノの聡明さと凛々しさをひしひしと
<br />感じられると思います 後本当の意味での優しさと
<br />あるいはこの世に対する希望と
<br />この本から感じてほしい
<br />U2の音楽を知らない世代の人 聴いたことない人でも
<br />彼の凄さが分かる筈です
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ミュージシャンとして素晴らしいのは勿論だけど、一人の人間としても素敵な人だと感じました。口先だけで平和や平等を語る日本のミュージシャンとは大違い。読んでいて鳥肌が立ちました。本当の格好良さってこういう事だったんだな。