「帰ろうか」
<br />そう誰かに言える事は、帰るところがあるということより幸福な気がする。
<br />
<br />ふたりの日常を切り取った写真の下には短いけれど言葉が書かれている。
<br />そのどれもに「あたたかさ」、「包む」、「慈しむ」が入ってる。
<br />写真集というくくりではないようなそんな気がします。
<br />こんなもの見せられて二人を好きにならない訳がない! 大好きだ!
<br />夫婦なんて密やかな関係なのにこんなに見せてくれてありがとうございますと言いたい。
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<br />誰かに「もう、帰ろうか」って言える日を楽しみに待ちながらページを繰っているのです。
「夫婦」という距離感
<br />そして、
<br />「夫婦」という言葉の響きが持つ 寂しさや切なさ。
<br />そして格好悪さ。
<br />しかしここにはそんなネガティブな空気はなく、
<br />まっすぐで芯の通った あたたかさが広がっています。
<br />他人からみれば気恥ずかしさもありますが、
<br />そんな風に愛し愛されたいものだと,ぎゅっと、思いました。
<br />恥ずかしいくらいに愛し合っている夫婦の風景がありました。
<br />そしてなぜかノスタルジーを刺激するような雰囲気も
<br />持ち合わせていました。
<br />たとえば、学生時分のアルバムを眺めている瞬間みたいな
<br />妙な青さ。
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<br />むかし桃井かおりのドラマでこんなセリフがありました。
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<br />「恋と言うには古すぎる。友情と言うには熱すぎる。
<br />ひとはそれを夫婦と呼ぶのです。(うろ覚え」みたいな。
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<br />それよりもこの写真集の中の二人は幾分若めだケド、
<br />そんな絶妙な温度感にひどく胸を締め付けられました。
<br />なんていうか痺れた。
<br />すごく照れくさいケド なぜだか見ちゃう。そして
<br />果てしなく穏やかだケド、刺激もある。
<br />いつでも帰りたくなる愛すべきふるさとのような
<br />風景がここにあります。
何げなくひらいた写真集だった。
<br />夫が撮った妻の写真の数々。
<br />何気ない日常だったり。その時々を切り取った写真があふれている。
<br />自然と愛する妻をみる目線になってしまった。
<br />きっとだれもが経験するその感情の時々。
<br />この写真をみて、改めて人を愛すること愛されること。
<br />愛する人がそばにいて同じ時を刻めること。
<br />感謝しなくてはいけないと感じた。
<br />大事な人に贈りたい写真集です。