本書を読んでも英語は上達しない。こう書くと本書の価値は無いように思うかもしれないが、まったく反対で英語(だけでなく外国語一般としても良い)を上達させたい人はぜひ読むべきである。
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<br />本書が目指しているのは、英語を上達させるためにどのような道筋(『マップ』)をとれば最も効果的、効率的な方法になるのかを示すことである。だから、どのような教材を使ってどのような練習をすればよいかは書いてあるが、本書が教材そのものではない。
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<br />効果的、効率的という言葉には説明が必要であろう。著者が本書で繰り返して述べているが、外国語の習得には即効薬的方法はない。しかし、やったことに見合った成果を期待できる方法はある。本書が示す効果的、効率的な方法とはこのような意味である。
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<br />この目的を本書は説得的に述べることに成功している。取るべき方法とそれに必要な労力、そして成果の現れ方の関係を実例をまじえて説明している。こうしたことが書けるのは著者自身の英語学習と他人に英語を教えてきた長い経験があるからだ。
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<br />最初に書いたとおり、本書を読むだけでは英語は上達しない。しかし、どのような学習法を取るべきか、どの教材を使うべきか悩んだら本書を見ると良い。いい加減な学習法、学習教材が英語にはたくさんある(他の外国語を学ぶ身からすると、いい加減なものまで出てくるほど盛況なのはうらやましくもあるが・・・)。本書はそうしたものを見分ける目を育ててくれる。その上で、しかるべき練習をすれば必ず英語は上達する、しかも最も効率良くできることを本書は示している。
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この本は今まで英語は結構勉強してきたのにうまくなれないと感じている人に読んでもらいたい本です。どんな練習をどのくらいすればうまくなれるか示されています。簡単に上達はできませんが、確実に効果のある方法です。英会話スクールに行くとか、TOIEC英検問題集を解くとか、ひたすら単語の暗記をやめて、この本の練習方法を実践してみてください。私は高校入試の長文対策の問題集を買って、短文暗唱・瞬間英作文の練習をやっています。スピーキング力をつけるには英文法をしっかり身につけることなんですね。そしてそれは文法問題集をせっせと解くことではないのですね。
本書に書いてある勉強法には納得感がある。
<br />ただ、惜しむらくは同名サイトに、本書に書かれている内容とほとんど同じ内容が書かれていた。その点で、★は三つにさせてもらった。
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<br />英語の勉強法は数々ある。実際、自分も色々な方法をつまみ食いしてきた。そして、何度も挫折した。挫折する理由は、始めて数ヶ月後に本当に自分のやっている方法が効果があるのか疑問に感じてしまうからだ。
<br />だからこそ、実際に効果があるにしても、ちゃんとそれを学習者に説得させてくれるような納得感のある説明をしてくれる本を探していた。
<br />そして、まさにこの本は、著者の経験に基づきながら、突きつめてその成功理由を考えている。
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<br />一つは音読方法だ。他と違うことは、闇雲に音読をするのではなく、リピーティング・シャドーイングをバランス良く織り交ぜられている。
<br />そしてもう一つ。中学生レベルの長文テキストの和訳を使って、瞬間英作文を作るという作業。どちらも、今すぐやってやるというモチベーションを与えてくれる。そして、スランプ時にもう一度読んで続けようと思わせてくれる内容になっている。