本の値段は高めですが、それだけの発見ができる本です。
<br />出てくる用語も知らないものも多く、大変勉強になりました。
<br />デザインはグラフィックやモノだけではなく、別の観点からも
<br />見ることが必要なんだと思いました。100の法則、優れものです。
デザインの実用的な原理について古典的なものから最新の認知科学の
<br />成果にいたるまで広く概観できる本。一部のトピックは知っていも、
<br />全て知っている人は少ないのではないだろうか。デザインの観点から
<br />これだけの領域をカバーし、なおかつ整理して読みやすくまとめられ
<br />ている点にとても感心する。
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<br />おそらく一番多いのは実験心理学の用語。参照する文献の指示も的確
<br />であり、内容も信頼できる。かのドナルド・ノーマン教授もふと本屋
<br />で見かけて1時間も読みふけってしまったと言っている。自分の学生
<br />には必読書として推薦しているらしい。
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<br />グラフィック、プロダクト、インターフェース・デザインなどの原理
<br />に関心があればまず一通り読むといいと思う。多くの原理について実
<br />用的な理解は得られるし、少なくとも現代のデザインでは何が考慮さ
<br />れているのかを知ることが出来る。
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<br />尚日本語訳では、文献の学術雑誌名は訳さずに英文のままで良かった
<br />であろう。またconstancy は通常「不変性」ではなく「恒常性」と訳
<br />される。レイアウト的には見出しはもっと濃く目立つ方が良いし、カ
<br />テゴリーのアイコンは少し邪魔である。しかしとても良い本である。
Design Rule Index -デザイン、新100の法則-という本を昨年の夏、購入した。
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<br />中身はというと、デザインの原理とも言える、法則性、志向などの一般的なデザイン論から選ばれた100の法則とでも言えば良いであろうか。
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<br />それらが以下のカテゴリに分類されて紹介されている。
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<br />・Perception デザインの認知度を左右するには
<br />・Learning デザインから学び取ってもらうには
<br />・Usability デザインのユーザビリティを強調するには
<br />・Appeal デザインの訴求力を高めるには
<br />・Decisions デザインをうまく決定するには
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<br />以上の大きなカテゴリから、さらにそれを細分化し、色彩、不変性、可読性、黄金率、アフォーダンス、フィボナッチの数列など良く目にする言葉も含め、幅広い分野に渡って整理されていて、わかりやすく読みやすい。
<br />理にかなっていれば、誰でも良いデザインを生み出す確率を高めることができるという点においては、基本的な知識を得るには確かに的確なリファレンス本であると思う。個人的にはそれだけではないと思っているので、Introductionの訓戒を引用されてもらう。
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<br />ちなみにこの訓戒を読んで、私はなんとなく理屈抜きで田中一光氏を思い出した。
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<br />「もっとも優れたデザイナーは、時としてデザインの原理を無視する。しかしその場合には、原理を無視してもそれを補う何らかのメリットがあるのが普通である。そうである確信がもてなければ、原理に従うのが最良の方法である。」ウィリアム・ストランク