表紙の重厚感と、デザインのバランスから文庫本でないことが本当にいいと思います。
<br />そして開いていくと・・・まず、わたしは山口智子が好きではありませんでしたが
<br />ほぼ、ノーメイクの勢いで、写真に素顔をさらし
<br />その上で、あの大帝国であったロシアを語るのです。
<br />またこのバランスも絶妙です。
<br />そしてなにより、恋文・・・mailでもなく、電話でもない、文なのです。
<br />だからこそ、更に切なくも、虚しくも、心トキメキも心躍りもします。
<br />わたしは、何度も何度も読み返しました。(そしてエルミタージュ美術展まで足を運んでしまったの。)
<br />彼らほどの強固な関係を築けるかもしれないエッセンス・媚薬が入っているかもしれません・・・。
世界史の教科書で登場する偉大な女帝エカテリーナ2世。彼女の業績については私達はすぐに辞典やウェブサイトを調べたら把握できるでしょう。 ですが、彼女が最も愛し、信頼したポチョムキンに1000通を超える愛の手紙をつづっていたことは最近まで知られていなかったようです。<br />「いとしい人、わたしの魂、愛するあなた」<br /> エカテリーナの彼への愛のこもった語りかけは切々と綴られ、一個人として、一女性としての彼女が現実のものとして私達の前に現れます。2人の愛の形も現代人の私達が学べる部分が沢山あると思います。<br /> 長年ロシア文化を研究して来た小野理子さんとエカテリーナとポチョムキンの足跡をロシアまで追いかけた山口智子さんの対話も、女性にとっては魅力的な内容です。<br />