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| 永遠の千一夜
(
あすま 理彩
しおべり 由生
)
あすま先生の作品は単行本化されているものは、すべて読んでいます。その上での感想です。
<br />個人的に、あすま先生はものによって面白さの高低差が激しい作家さんだと感じているのですが、
<br />今回は少しびっくりするくらい拍子抜け……というと失礼かもしれませんが、正直期待はずれでした。
<br />他の作家さんのアラビアンナイト的な作品を他にもそこそこの数を読んでいるので、比較してしまった点もありますが、
<br />やはり内容が全体的に薄っぺらで、オチの読めるチープな感じでした。
<br />
<br />冒頭はありがちな、主人公が王様に拉致されるというものでしたが、そこは良かったと思います。
<br />単に美貌を見初められて拉致されるパターンではなく、政治的な意図を持った行為だったためです。
<br />友人だと思っていた男に裏切られた医師の主人公は、傷心のため半ばヤケになっていたこともあって
<br />もうどうでも良い……馬鹿みたいだ……という心理状態も気になりました。
<br />かと思えば、撃ち殺されるかも知れないというのに、自分の身体を張って人の前に飛び出す、医者としての気質にも惹かれました。
<br />
<br />だからこそというべきか、そこからの展開がベタすぎてガックリしてしまったのかも知れません。
<br />寵姫のように部屋に閉じ込められ、抱かれる日々。そして反発しながらも主人公の気持ちは王様に傾いて行くのです。
<br />中盤はエロばかりであまり読む気がしなくなってしまった程ですが、途中から、主人公が外科医師としての自分を必要とされ
<br />頼られることによって、裏切りにより自棄になっていた自分のことを、「医師になったことは間違いではなかった」と
<br />感じて行く下りには好感を覚えました。
<br />
<br />私はあすま先生の作品では、切なめ痛め系の設定のものの方が文章も構成も良く、内容も濃くて面白いと思っているので、
<br />今回は好みに合わず、星2つとしましたが、
<br />アラブのハーレムものや、運命の出逢い的なストーリーがお好きな方には、もっと楽しめるかと思います。
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