僕は、岡本太郎を誤解していた。昔、テレビのバラエティで見た印象しか覚えていなかったからだ。なんか、“変なおじさん”くらいにしか思ってなかった。
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<br />しかし、自分の生活が行き詰まり、書店でこの本を手にとって、一節一節を読んでいく内、熱い!なんて熱いんだ!って気持ちが、こちら側にも乗り移ってくる様な生命力を感じたんだ。
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<br />「逃げない、はればれと立ち向かう、それがぼくのモットーだ」
<br />「負けた者こそバンザーイと、大いに胸を張ってにっこりする、これだよ」
<br />「孤独感をもっているのはキミだけじゃない。人間全部が孤独感をもっている。」
<br />「信念のためには、たとえ敗れるとわかっていても、おのれを貫く、そういう精神の高貴さがなくて、何が人間ぞとぼくはいいたいんだ。」
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<br />太郎氏の言葉に勇気付けられる。しかし、臆病で弱い僕は、また弱気になる。そしてまた、この書に勇気付けられる。そんなことを繰り返している日々である。
人間ってなんだろう?こんなにも弱いものなのか?そんなことを一度でも思ったかたは、是非読んで見て欲しい。何が強くて、何が弱いか。きっと教えてくれる。強がることではなく、弱さを受け入れることのほうがどれだけ強い人間か。太郎の世界へようこそ。
好きな言葉、感動した言葉がいっぱいあったんですが、中でも感動したのが最後のあとがきのところで岡本太郎さんの奥さんである岡本敏子さんが
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<br />岡本太郎の言葉は簡潔だが、自身の血をふき出す壮烈な生き方に裏打ちされている。理屈ではない、説教でもない。彼のナマ身がぶつかり、のり越えてきた、その痕跡なのだ。
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<br />誰かの役に、たちますように。
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<br />誰かの役に、たちますように。
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<br />私はこの言葉に感動した。ずっと岡本太郎さんを支え続けてきた人が放つこの言葉。おそらく芸術家岡本太郎を支えるのは並大抵のことではないだろう。この言葉にこそ私はもっともリアル感を覚えた。
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<br />岡本太郎はすごい。でも岡本太郎を陰で支え続けた岡本敏子はもっとすごい
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