「大なり小なり家族は何らかの障害(問題)をかかえている。」、「自分にとっては小さな問題でも、その人にとっては耐えられないほどの大きな問題な事がある。」等々、本書には、現代人が抱えるストレスの問題、仕事と家庭の両立の問題(両立は無理かもしれないが・・・?)、子供と親との関係の問題など関心の深い事項が本人の体験を通じて赤裸々に描かれています。
<br />近年、メンタルヘルスの問題がクローズアップされ会社での取り組みも活発になっていますが、鬱病に関する偏見があるのか相談員を積極的に活用しきれていない状況にあります。プライバシーが重視され、家庭の問題を他人に相談しづらい、また、部下に対しても聞きづらい風潮が有る中、本書は、悩みを持っている社員(家族を含めて)が心を開くきっかけに成るのではと思っています。
<br />早速購入し、課内で回覧することにしました。夫婦で読んでくれればと思います。
度重なる家庭の問題、一流ビジネスマンとしての仕事の重圧。すべてにまっこうから対峙して、成果を収めた男性のノンフィクションです。
<br />あまり感情を交えずに、起こった出来事を淡々と書いているのですが、これは意図して書いているのではなく、性格の問題だと思います。
<br />いちいち感情に振り回されていたら、ここまでのキャパシティは保持できませんもの。
<br />良くも悪くもすべてのことに対して、できることをひたすら効率的に行い、成果を勝ち取るという、一流ビジネスマンの人生に対する姿勢を感じました。
<br />限られた時間で沢山の成果を得るには、どこかしら機械的になる必要があります。
<br />感動というよりは、一流男の迫力に気おされたという感想です。
確かに壮絶な環境であり、著者の生き方には敬服します。私も似たような(もちろん著者ほどの状況ではありません)環境にあり、何かの参考、刺激になればと思い購入しました。そこには一見新しいワークライフバランスを論じていながらも、根底にあるのは古い日本のサラリーマン気質の延長線上にあるもののように思えてなりませんでした。「同期トップで取締役就任」という文言をキャッチフレーズに利用していることが全てを語っているように思います。事実、奥様は心の病に苦しみ、自殺未遂までしながら「今は少し回復」という状態に過ぎませんし、お子様たちも相当な負担を強いられているわけです。この著作の中で常に感じるのは、この奥様をもっと助けることはできなかったか?という疑問です。結局は自分の「仕事」は捨てられなかったということではないでしょうか。家族の核となる夫婦間の信頼、愛情ほど大切なものはありません。何かをやり遂げたような、満足げなこの著作の巻末を奥様はどのような気持ちで読むのでしょうか。私は男ですが心中を察します。確かに子供たちは多くを学んだと思いますが、私は仕事を捨ててでも、妻を救うべきであったと思います。