タイトルに入門という文字を入れましたが、決して難易度の低い参考書ではありません。
<br />しかし、英作文の参考書を見ているなかで、本書ほど分かりやすく丁寧なものがなかなか見当たらない程の良書だと思われます。
<br />本書の特徴は以下の通りです
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<br />Part1:丸暗記ではなく構造的な理解から英文を作り出していく方針をとっており、無理なく読み進められる。
<br />1つの項目ごとに2つの練習問題がついており、解答解説には自分で採点できるような工夫がみられる。
<br />自分で採点・復習する事もできるでしょうが、許される状況であるならば自分の英語の先生に添削してもらうとより一層有益な情報が得られると思います。
<br />Part2:英作文に役立つ語彙集が掲載されています。これは単語帳などではニュアンスが完全には把握できないものが多く、受験生の盲点をこれだけまとまった形で提示されているものはなかなか無いでしょう。
<br />Part3:近年の自由英作文の導入を受けて、自由英作文のいろはから解説している。
<br />自由英作文を解説しているものとしては最も古い部類の参考書となるが、決して悪いものではない。
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英作文を初歩から勉強する上では、とても有意義な本だと思います。
<br />というのもこの本は、PART1において、今まで堅実に覚えてきた英文法の知識を
<br />実際に使いこなせるようにブラッシュアップすることができるからです。
<br />例えば現在完了形と過去形はどちらも「〜した」と訳されることがありますが、
<br />そこには使い分けがあって然るべき、往々にしてその辺りが入試でも問われます。
<br />勿論英語で物事を発信する立場に立ったとしてもその使い分けは重要です。
<br />そのような英語感覚を文法単元に沿ってわかりやすく勉強することが出来ます。
<br />50章・50例題+100題の練習問題で構成されているのでこの本の英文150題を理解したうえで
<br />丸暗記してしまえば英作文の成績は爆発的に伸びるはずです
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<br />難点もいくつかあります。
<br />一つ目に日本人が多用しすぎると評判の「受身の使い分け」について触れられていない点
<br />二つ目にこれまた日本人が多用する「過去完了大過去」についてフォローが無い点
<br />三つ目にthese daysやnowadays等の使い分けが他の文法書や辞書などと食い違う点。
<br />などなど、いくつか補強が必要なところはあります。
<br />しかしながらその難点を差し引いたとしてもこの本を推すことが出来るのは
<br />自由英作文の章PART3が即得点力に繋がるからです。
<br />自由英作を組み立てるための具体的な方法が書れているため
<br />自分が気に入った論理の型を一つ覚えておけばルーチンワークとして文を組み立てることが出来ます。
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<br />PART1とPART2の一部を先に固めて、さらに知識を補充して例文も沢山覚えて、
<br />過去問一歩手前の段階でPART3に進むという形を取れば最高だと思います。
■私は、職場で英文を読み書きする必要があり、何気なくこの本を読み始めたのですが、これまでテキトウに使っていた「have」や「as」、何となく置いていた副詞や前置詞について、明快かつ理論的に説かれていて、頭の中がガラリと組み変わりました。「英作文」というタイトル以上に、「英語による発想→発信」の根本を教えてくれる名著だと思います。
<br />■本書の第1部(全体の2/3)は、短い例文をもとに、どのように発想し、どのような単語・構文を使って文を組み立てるのかが説明されています。例:「道路が混んでいたので、彼は会議に遅刻した」「彼女は髪を短く切って、少女のようだ」 最初は、こんなのカンタンじゃん!と思いきや、時制や態、副詞の位置、前置詞の有無、動詞の適合性など、これまで自分がいかにイイカゲンな英文を作っていたのか思い知らされ、衝撃を受けました。
<br />■第2部は、62項目の表現事典。habitとcustomの違い、excuseとpermitの違い、be proud ofとboast ofの違い、など。
<br />■第3部は、自由英作文(外語大〜国立大向け)。しかし、論理の組み立て方、文の繋ぎ方など、受験生なら「国語」の小論文にも役立ちますし、社会人なら、スピーキング・ライティングに役立つこと請け合いです。
<br />■なお、中学〜高1レベルの英語をマスターしていない人は、先に基礎を固めてから本書に取り組んでください。・・・本書は、比較級や過去完了や受動態をすでに学んでいる、という前提で話を進めています。
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