「ワインレッドの心」の大ヒットに寄り一躍スターダムにのし上がった安全地帯。有名になるが故に独り歩きを始めたイメージと現実の自分が目指していたものとのギャップの大きさに苦闘する玉置浩二さんの生の声が聞けます。バブルの勢いと共に統べてが一大プロジェクトとして走り出して、骨身を削ってバンドの楽曲のためにひたすら頑張り続けるうちに周囲と自分の中での方向性の違いは溝を深めていく。打破する為に彼は原点に戻ろうと故郷・旭川で静養しながら自身の本当に目指すべき道を手探りで探し始める。その間の彼の孤独や苦悩、そして彼を見守る人々の暖かさなどが書かれた一冊。
玉置さんのファンなので,一応手に入れたという感じだったのですが・・これはとても心にぐっと来ました。
<br />「ワインレッドの心」は誰から見ても,安全地帯の中にヒット曲で現代にも浸透している歌だと言えます。けれどこの歌で生活が逆転してしまい,玉置浩二さん・メンバーのなかに拭い切れない思いが募っていったこと,心境の変化などが細かに記されています。これを見終わった後で,「カリント工場のえんとつの上に」を聞くと玉置さんがとても悲しそうな声で歌っている気がしました。
<br />もっともっと玉置さんのことが好きになるような本です。あまり知らない人でも,きっと心になにか来るはずです。
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「どうして玉置さんの歌は心に響いてくるのか」という答えがそこにありました。
<br />本の中にリアルな玉置さんがいました。
<br />ブラウン管からでは見ること・知ることはできない真実を如実に筆者は語っています。
<br />いろんな出来事があって乗り越えてきたからこそ、
<br />あの笑顔があり、愛にあふれた深みのある歌が出来るのだと。
<br />玉置さんの歌同様に感動を与えてくれた一冊です。