本当にこれが全て実話であるならこの方は凄い体験を経て作家という職業にたどり着いた人だと思います。だからこそ書ける作品(プリズンホテルなど)もあるのでしょうが、やはり一部‘笑えない’所もあります。ヤクザの世界を美化する傾向があるのも体験に基づくのでしょうか・・・?でも文章と言うか、言葉の組み合わせ(?)は本当に面白いです。
丁度、「鉄道員」が感動小説として世を賑わせていた頃、
<br />その「鉄道員」をスルーして、ふと手に取ったのがこの本。
<br />帯の「落伍者のための名作フェア」の名の通り(笑)、
<br />アウトロー・ヤング浅田次郎の痛快な回想録になっております。
<br />感動作家・浅田次郎しか出会っていない方々は
<br />是非一読をお薦めします。
<br />そのギャップに仰け反ることうけあいです。
浅田次郎のピカレスク系の小説の面白さの原点は、この本に記された著者の裏社会での体験にあるといえるでしょう。<br>また自分が実際にピストルを持っていたようなことを文章にした小説家は日本では初めてではないでしょうか。<br>いずれにしてもこれだけのネタがあれば、これからも楽しめる本を次々と出してくれることでしょう。<br>とにかく面白い本でした。浅田ファンには☆5つでお勧め。