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| やっぱりあぶない、投資信託―あなたの「虎の子」の増やし方・使い方
(
水沢 溪
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「日本の投資信託には、投資家にお勧めできるものが少ない」。この主張そのものには私も共感しています。
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<br />しかしこの本の内容には、どうも著者が金融商品に関する基礎的な知識もいくつか見落としているということを、感じさせる記述がありました。
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<br />たとえば、「日本国債よりも社債の方が安全」という主張があります。日本は債務大国なので、借金が返せなくなる(デフォルトになる)可能性があり、それなら民間会社が発行している債券の方が安全だろう……ということらしいですが、1998年にロシア、2002年にアルゼンチンで実際に発生したように、「国がデフォルトになる際は、その国の通貨価値も暴落する」ということに気付いていない節があります。また、市場で売買されているため常に価格が変動する(価格変動リスクを有する)債券を、「元本を下回ることが無い」と記したりもしています。
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<br />そのほかにも、日本の国債を危ないといっておきながら、主にそれらを投資対象とする「公社債投信」を推奨したり、外貨FXやMMFより手数料が高くて不利な「外貨預金」を外貨投資の商品として薦めたり(投資信託・保険商品とともに昨今における銀行の主な収益源になっています)、アクティブファンドのみを取り上げてインデックスファンドを取り上げない、投資信託に「評価基準が無い」と決め付けたり(モーニングスターレーティングやベンチマークとの比較というものを知らない)と、投資家を誤解させる記述が多く散見できました。投資信託の不利な点についてよく知り、どういう投資を行えばいいのかということについて詳しくなりたいのなら、別の本を購入した方が妥当だと思います。
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