読みやすいので化学に対する抵抗感も徐々に薄れてきます。
<br />化学に対する心の壁を持つ人にオススメ。
<br />教科書と併用すると良いと思います。
<br />教科書だけ読んでいるとどうしてもなぜそうなるのか?という点をあまり意識せずに
<br />パーっと流しちゃったりしますが、そこをこの本は補ってくれる。
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<br />それと“ここは絶対覚える”とか“ここは参考程度”もはっきりと書いてくれてあるので、どこまでを知識として抑えておかねばならないかがバッチリわかります。
<br />これは頼れます。教科書だけに頼ると、教科書に載っている知識をすべて暗記しなければいけないような気分になるので。
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<br />正直、無機は最終的には暗記量の勝負になってくるので、問題をこなしていく中で覚えるというスタイルが一番無駄がないと思います。
<br />しかし有機分野は学習法ひとつで労力を使わずにすむか、それとも莫大な労力を使わねばならないかが決まってきます。
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<br />具体的に述べると有機は理屈を理解しさえすれば暗記量は恐ろしいほどに少なくてすむのです。理屈を理解し、それをいつでも自分の引き出しから取り出して問題ごとに応用できるか、というところの勝負だと思います。
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<br />その点、「岡野のはじてい」で最も使えるのは有機分野の内容なのです。
<br />有機に悩む人もこれさえ読めば救われる。
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<br />また扱ってる内容は化学1だけなので、センター化学対策にもうってつけ。
<br />もうちょっと問題が欲しいところですが、いろいろセンター演習用の問題集がでてるので、
<br />それと併用するといいと思う。
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完全に化学がゼロ知識の人がやると確実に混乱する本。理系の人で少しでも化学をかじった事がある人ならば良いのかも知れないが、そうでない人にはキツい。何故なら、この本は過去にどこかで化学を習ったことがあって、公式やイメージを特別にイメージしなくても、化学の知識が多少なりとも朧げに頭の中に浮かぶ人向けの本だからである。そのため、理転した人や文系で急遽化学が必要になったような「完全にゼロ知識の人間」にとっては、この本は酷である。初心者向けなら橋爪先生や大宮先生の参考書の方が扱いやすいだろう。
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<br />とはいえ、初めて読む時は文体が語り口調で書かれておりイラストや図も多いので一見すると理解し易そうに見える。しかし、読み進めていく内に「え?これってどういう事?」というような感じで疑問点が増えていき、その疑問が解消されないまま次の単元へ…そ、それは無いだろう。例えば、無機化学について言えば結局は「重要事項は暗記せよ!」で終わってしまっている。もちろん無機は暗記してなんぼなのだが、少なくとも「無機化学に暗記以外にも興味が湧くような説明」があっても良いと思う。有機化学に関しても機械的に構造式をパズル的に組み立てて終わり、という事ではなくもっと有機化学の楽しさを実感できるように書けたのではないか。
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<br />残念ながら、この参考書は謳い文句にあるような「(誰でも)はじめからていねいに」と言えるものではない(岡野先生の授業を取ったことのある人には良いのだろうが)。この参考書は使い手を非常に選ぶ。
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<br />結局、この本の1番の難点は「受験化学の重要事項をただ単に口語で羅列しているだけに終わっている」という点にある。これだと記述や論述問題を出されたら命取りになりかねない。他の化学の参考書や問題集と比較すると、それはよくわかる。少なくとも、この参考書が難なく読める人は少なくとも「初心者」ではない。
とにかく、説明が丁寧でわかりやすい。ポイントを押さえてあるのでセンターレベルならこれでも充分だと思われます。
<br />ただある程度化学できる人には、あまりお薦めできません。本当に、最初から無機・有機始める人にとってはいい本だと思いますよ。
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