診断・技術に重きをおくscienceに対して、本書は医者のプロとしてのアートartが満ち溢れている。確かに人生表と裏があるが、本タイトルの「裏」は実は非常に重要だったりする。臨床現場でいつも胸に引っかかっていたものが、整然と整理されており、胸のつかえが取れた感じだ。あっという間に読めた。EBMも提示され、このようなアートを示した本は本書以外にはなく画期的だ。臨床好きは読む価値あり。星10個でもいい。
この本は久しぶりに非常にすばらしいと思います。
<br />理想論や美辞麗句を並べて「ERがんばれ」や
<br />「救急診療はこうあるべき」等というのではなく、
<br />ER診療の不条理さ、様々な苦境や「何でだ」という事例が
<br />多く、現実の業務が非常につらいことを十分承知した上で、
<br />それでもこのようにやっていこうよという前向きな提言が
<br />満載されています。
<br />誰もが活字にしたかった当直勤務医の苦しみや実情が
<br />ズバリ記載されており、そうそう、あるある、こんなこと、
<br />自分もよくこうしてしまう、と実感と納得の連続です。
<br />筆者が現場をよく知っており、修羅場を数々くぐってこられた
<br />ことがよく伝わってきます。
<br />
<br />ER業務に関わる機会のある医療従事者は必読だと
<br />重います。当直医師だけでなく看護師や、
<br />各医療機関のER責任者の先生方にもぜひ目を
<br />通していただきたいと思います。
<br />
<br />ちなみに直接の診断・治療に関する項目は
<br />少なくERでの立ち振る舞いについてが中心ですので
<br />診断・治療に関する記載を期待される方は
<br />別の文献を参照して頂いたほうがよいと思います。
<br />