採用試験に関して、細かいノウハウから採用の意義について、これまでの本にはない視点で書かれている一冊。採用担当者はもちろん、新卒者にとっても採用試験の意義と裏事情を知る為の参考書として大いに役立つ筈。
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<br /> 「採用は高感度アップのための広告」という考えは大いに共感できる。短い目で見れば新卒者間のネットワークに飛び交う企業の評判、長い目で見れば企業の顧客となる可能性のある人々へのイメージ戦略を担っていると言える。
企業は「人」が資本と誰もが言う。ならば採用活動は企業が最も力を入れるべき分野だといえよう。その採用技術について述べた名著。 <br> この本の著者は非常に繊細な神経の持ち主だと感じた。学生より人事が上でなのはなく、対等の立場だというコンセプトを貫いている。例えば「面接官も立って挨拶すべし」「面接官が視線を動かす必要のない所に時計を掛ける」など、なるほどと思わせる行動例が多く載っている。<br> 本の価格以上に価値のある一冊といえるだろう。
人事同士の交流会で紹介され、購入した。<p>この本は前半と後半で2つのことを述べている。<br><前半><br>前半は応募者に好印象を与えることのメリットと不快感を与えることのデメリットを述べている。<br>好印象を与えることができれば、内定辞退を防止することにもつながるし、テレビや新聞雑誌などのメディアを使った「金のかかる」広告以上に効果的な広告となりうるというのだ。<br>確かに一理あると思う。<br>2007年問題などで団塊の世代がごっそりと抜けるので、人材の確保を急務としている企業の人事部が多いが、この本は一読の価値があると思う。<br>この本は応募者に対して好印象を与える方法を事細かに解説してくれている。<p><後半><br>後半では人材の善し悪しを見極める手法が具体的に書かれている。<br>この本では、なるべく実際の仕事と同じ状況を再現して、やらせてみろというのだ。そうすれば、能力の有無がはっきり分るというのだ。この種の選考を「シミュレーション型の選考」とこの本では呼んでいる。経理職、営業職、SE職などの複数の職業での「シミュレーション型の選考」を実例で紹介しているので、説得力があった。<p><コンピテンシー面接は狸と狐の化かし合い><br>コンサル会社の人が書いた「コンピテンシー面接」の本を読んで、人事と応募者の騙しあいが複雑になるだけだという感想を持っていた私には、心に響いた本だった。<br>自己PRや志望動機を聞くだけの面接や、「コンピテンシー面接」の狸と狐の化かし合いから脱したいと思う人事はこの本を読むといい。<p>採用の細かい流れを解説した本ではない。最初に本書を読み、採用の根本を知り、その後に採用の細かい手順の本を読むと良いだろう。