以前「音楽現代」という月刊誌に掲載されている著者のコラムを読み印象に残っていたので
<br />今回この本をAmazonで取り寄せてみました。
<br />池辺晋一郎氏の「いやぁ、実におもしろい。痛快。うまい。ここまでバラしちゃっていいの?」
<br />というコメントにまったく同感です。
<br />音楽関係者、演奏者(を志している人)、クラシック音楽ファンにおすすめの一冊です。
<br />
同時期に読んだ同じオケのコンマス氏の本より数段面白い。各エピソードの纏めがうまいのだ。「オチ」があると言うべきか。
<br />
<br />とにかく読み終わるのが惜しい。続編が出たらすぐ買いたい。
<br />なお、本人のお顔のイラストはちょっとかわいそう。写真を拝見するとそう思う。
<br />
<br />
N響で長年第一バイオリン奏者として活躍する著者のステージ姿は何百回も拝見している。しかし、失礼ながらこれほど面白い文章をお書きになる方とは、全然想像していなかった。音楽的才能と文才。天は時に二物を与える。
<br />
<br />N響になじみ深い人は勿論、オーケストラが大好きな人なら、自分で楽器を演奏する人も、そうでない人も、面白くてたまらない。
<br />
<br />ユーモアたっぷりの文章ながら、「プロ」の「演奏者」でなければ、決して書けない話が満載されており、読み終えるのがもったいない。
<br />
<br />プレリュード(前書き)に書かれた、ウォルフガング・サバリッシュ氏との昨年のリハーサルの様子をはじめ、胸が熱くなるような話、ほろりとさせられる話がある一方で、
<br />
<br />「譜読みを楽しむ方法ってある?」の項は抱腹絶倒だ。そうか。プロでも「譜読み」は面倒くさいのか。
<br />
<br />しかし、忘れてはいけない。この境地に達するまでに、鶴我さん達、プロの音楽家は、もの凄い努力を続けている事を。