リーダーが決断にあたって重視すべきは結果ではなくプロセスであり、プロセスの質を高めることで、実行後の成果も高まる、という内容です。
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<br />内容自体は、それほど目新しくはありません。
<br />しかし過去の事例の分析は非常に興味深いものがありました。
<br />特に、キューバ危機を乗り越えたケネディ大統領が、それ以前に失態を演じており、判断の誤りに至ったプロセスを徹底的に洗い出したという記述は一読の価値があります。
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<br />第一部で枠組みを説明した後、次第に深堀をしていく構成をとっており、理解しやすかったです。
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<br />難点は以下。
<br />・これだけの内容を本当に実践できるのかやや疑問
<br />・当たり前のことを無理やり図表にして、却って分かりにくくしている
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<br />自社の会議が形骸化しているとお悩みのリーダーの方には、是非お読み頂きたいと思います。
本書の内容が興味深く、魅力的であることは、他のレビュアーのコメントをごらん下さい。
<br />私も、本書を面白いと感じたのですが、難点は翻訳です。
<br />とにかく読みにくい。
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<br />原書を読んでいないのですが、英語の単語をそのまま日本語に置き換えただけのような、拙劣な翻訳が本書の魅力を損なっているのではないだろうか、と推測されます。
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<br />もう少し翻訳が日本語としてこなれていれば☆5つだったのですが・・・。
意思決定のプロセスは、
<br />1. Composition:構成員
<br />2. Context:背景
<br />3. Communication:コミュニケーションの方法
<br />4. Control:リーダーの介入
<br />がポイントであり、それらが建設的な対立とコンセンサスを生み出すことができれば、その意思決定の質は高いものとなる。
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<br />アメリカやヨーロッパでは、弁論学等が歴史的に盛んであり、現在でも同様に、様々なコミュニケーションスキルや方法論を生み出している。
<br />その国においては、「建設的な対立」に対する理解が得られやすいのかもしれないが、卑近な例で申し訳ないが、まだまだ私の周囲では、「建設的な対立」は芽生えにくいものである。
<br />もちろん、AGORIAやBBTでは、そうではないと思うが。
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<br />また、本書は、事例として、ケネディ大統領が関与した2つの事件、ピックス湾事件とキューバ危機を対比し、各事件での意思決定のあり方を対比することで、決断の本質を焙り出している。
<br />(もちろん、他の事例も豊富。)